ラグビーを続けながら歯列矯正を受けることはありますが、接触で唇・頬・歯・装置を傷める危険への準備が必要です。矯正用のマウスピース型装置は歯を動かすためのもので、衝撃から守る競技用マウスガードとは役割が違います。
治療開始前に3者で確認する
矯正歯科には競技名、ポジション、練習と試合の頻度、所属団体の規則を伝えます。チームの指導者には矯正中であることを共有し、マウスガードの装着義務と矯正装置を含む防具の扱いを大会要項で確認してください。
| 装置 | ラグビー時の主な注意 |
|---|---|
| 表側ブラケット | 衝突時に装置が唇や頬へ当たる可能性があります。装置を覆えるマウスガードを相談します。 |
| 裏側矯正 | 外から見えにくくても、歯や舌への外傷リスクがなくなるわけではありません。 |
| マウスピース型装置 | 競技用防具の代用にはしません。練習・試合中の扱いと装着時間を担当医へ確認します。 |
矯正中は歯が動くため、以前作ったマウスガードが合わなくなることがあります。きつい、浮く、装置へ強く当たる場合は削って使い続けず、矯正歯科またはスポーツ歯科へ調整・再製作の時期を相談します。
一般に個別製作型は適合・保持・快適性で優れますが、矯正中は歯が動くため、移動を見込んだ設計と定期的な再評価が必要です。競技規則は年代・大会・団体で異なるため、公式規則を確認してください。
衝突したときの受診の分け方
息が苦しい、意識がおかしい、止まりにくい大量出血、あごの骨折が疑われる変形がある場合は、歯科への連絡より先に119番などの救急対応を優先します。
抜けた永久歯は根に触れず歯冠(口の中に見えていた部分)を持ち、可能なら元の位置へ戻します。戻せない場合は牛乳などに浸し、直ちに歯科へ連絡してください。乳歯は戻しません。歯が大きくずれた、強い痛みや出血、口が開かない場合も練習へ戻らず、当日中に歯科または救急医療機関へ連絡します。
頭部への衝撃後に頭痛、吐き気、記憶や受け答えの異常などがあれば、競技へ戻さず医療者の評価を受けます。ブラケットが外れた、ワイヤーが当たるものの呼吸や出血に問題がない場合は、ワックスで一時的に覆い、矯正歯科へ当日中に状況を伝えて指示を受けます。
まとめ:装置と競技規則の両方へ合わせる
次の練習前に、使用中の装置を伝えたうえでマウスガードの適合を確認し、衝突時の連絡先をスマートフォンへ登録しておきましょう。装置が変わったときも同じマウスガードを使い続けず、再評価が必要です。
参考情報
参考
Sports-related Orofacial InjuriesAmerican Academy of Pediatric Dentistry
参考
What is an Orthodontic Emergency?American Association of Orthodontists
参考
Avulsion of Permanent TeethInternational Association of Dental Traumatology / AAPD
参考
競技規則公益財団法人 日本ラグビーフットボール協会
参考
脳振盪への対応公益財団法人 日本ラグビーフットボール協会

