見た目を整える一般的な歯列矯正は、原則として公的医療保険の対象外です。ただし、国が定める疾患に起因するかみ合わせの異常や、顎の骨を切る手術が必要な顎変形症などは、診断・医療機関などの条件を満たすと保険診療になる場合があります。
保険適用は病名だけで決まらない
日本矯正歯科学会は現在の対象を、①厚生労働大臣が定める疾患に起因する咬合異常(かみ合わせの異常)、②前歯・小臼歯の永久歯3歯以上の萌出不全(永久歯が正常に生えてこない状態)で埋伏歯開窓術(歯ぐきなどを開き、埋まった歯を露出する手術)が必要な咬合異常、③顎離断等(顎の骨を切って位置を変える手術など)が必要な顎変形症の手術前後、の3区分として案内しています。さらに、施設基準に適合するとして地方厚生(支)局長へ届け出た保険医療機関で治療を受ける必要があります。
「3区分のどれに該当する可能性があるか」「その医療機関は該当区分の施設基準を届け出ているか」を電話で確認します。届出状況は、所在地を管轄する地方厚生(支)局が公開する施設基準の届出受理医療機関名簿で、「矯診」(歯科矯正診断料)または「顎診」(顎口腔機能診断料)を確認します。
自費治療と混ぜて総額を比べない
希望する装置や治療案が保険診療の範囲外なら、自費の代替案として別の治療計画・見積書を出してもらいます。保険案と自費案を一つの総額へ混ぜず、それぞれの治療目標、装置、通院、保定(治療後の歯をリテーナーで安定させる段階)、追加費用を比較してください。
医療費控除は医療保険とは別制度
国税庁は、年齢や目的などから社会通念上必要と認められる歯列矯正費用は医療費控除の対象となり得る一方、容貌を美化する目的の費用は対象外と案内しています。個別の税務判断は、領収書や治療目的が分かる資料を用意し、税務署へ確認してください。
参考情報
参考
特掲診療料の施設基準等厚生労働省(2026-08-11確認)
参考
矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは日本矯正歯科学会(2026-08-11確認)
参考
厚生労働大臣が定める掲示事項等厚生労働省(2026-08-11確認)
参考
医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例国税庁(2026-08-11確認)

