祖父母が歯列矯正費を払うと贈与税はかかる?確認事項

祖父母が歯列矯正費を払うと贈与税はかかる?確認事項

祖父母が孫の歯列矯正費用を負担しても、必ず贈与税がかかるわけではありません。国税庁は、扶養義務者から受け取る「通常必要と認められる」生活費のうち、必要な都度、直接その用途へ充てるものは贈与税がかからないと案内しています。生活費には治療費が含まれます。ただし、矯正費なら一律に非課税、医院へ直接払えば必ず非課税、という規則ではありません。

最初に確認する三つの条件

  1. 祖父母が扶養義務者に当たるか:祖父母と孫は直系血族に当たり、扶養義務者の範囲に含まれます。
  2. 通常必要な治療費か:受け取る人の必要性、負担する人の経済的な余裕などを踏まえ、社会一般の考え方で妥当な範囲かを確認します。
  3. 必要な都度、治療費へ使ったか:数年分を先に渡して預金や投資へ回した部分は、生活費の非課税扱いになりません。
医療費控除と贈与税は別の制度

歯列矯正が医療費控除の対象になるかという所得税の判断と、祖父母から受けた治療費を、贈与税を計算する金額に含めるかは別に確認します。医療費控除の対象外だから、直ちに贈与税がかかると単純化はできません。

医院への直接払いだけが方法ではない

国税庁の「直接」は、医院へ祖父母が直接送金する方法だけを意味すると断定できません。受け取った財産を必要な都度、その治療費へ充てたことが重要です。医院への振込、患者側の口座を経由する支払い、クレジットカード払いでは、契約者・支払者・領収書の名義が異なることがあります。個別の支払経路を税務署または税理士へ示して確認してください。

110万円の基礎控除と混同しない

1年ごとに贈与税を計算する暦年課税では、贈与を受け取った人がその年の1月1日から12月31日までに受けた贈与を合計して基礎控除を計算します。祖父母一人からの金額だけを見るものではなく、生活費として贈与税の計算に含めない扱いとも別の仕組みです。相続時精算課税を選んでいるなど、前提が違う場合もあります。

確認する事実残しておく資料
誰が誰の費用を負担したか振込記録、カード明細、家族間の送金記録
何の治療に、いつ必要だったか治療契約書、診療計画、見積書
実際にいくら治療へ使ったか領収書、医院の支払証明
ほかの贈与があったかその年に受けた贈与の一覧

医療費控除を申告する人も先に決めない

国税庁は、年齢や矯正の目的などから必要と認められる歯列矯正費を医療費控除の対象とし、容ぼうを美化するための費用は対象外としています。医療費控除は、実際に医療費を支払った納税者が、自分または家計を共にする「生計を一にする親族」のために支出した費用について判断します。家族の中から申告者を自由に選ぶ制度ではありません。「領収書が孫名義なら祖父母が申告できる」といった一項目だけでは決めないでください。

相談時に伝えること

治療総額、支払日、分割か一括か、契約者と実際の支払者、孫の年齢・収入、祖父母との扶養関係、その年のほかの贈与を整理すると、税務署や税理士へ相談しやすくなります。

高額な一括払い、治療開始前のまとまった送金、未使用金が残る場合、複数の家族から援助を受ける場合は、支払う前に国税局電話相談センター、所轄税務署または税理士へ確認してください。

国税庁の確認ページ


参考
No.4405 贈与税がかからない場合国税庁、令和8年4月1日現在(2026年9月10日確認)


参考
相続税法基本通達21の3-3〜5 生活費の意義と取扱い国税庁(2026年9月10日確認)


参考
No.4402 贈与税がかかる場合国税庁、令和8年4月1日現在(2026年9月10日確認)


参考
No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例国税庁、令和8年4月1日現在(2026年9月10日確認)


参考
No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)国税庁(2026年9月10日確認)


参考
扶養義務者から生活費又は教育費の贈与を受けた場合の贈与税に関するQ&A国税庁(2013年12月、扶養義務者の範囲。現行4405と併読)

参考情報の確認日:2026年9月10日。