心臓病がある方の歯列矯正|感染性心内膜炎の予防を確認

心臓病がある方の歯列矯正|感染性心内膜炎の予防を確認

心臓病がある方の矯正では、病名だけでなく、手術歴と予定する歯科処置を共有することが大切です。感染性心内膜炎は、細菌などが心臓の内側や弁に感染する病気です。予防のために抗菌薬を使うかは、心臓の状態と処置の組み合わせで判断します。

「心臓の病気」と「今日する処置」を二つとも確認

矯正には相談や検査だけの日もあれば、抜歯や歯ぐきに触れる処置を行う日もあります。「矯正の通院だから毎回飲む」「抜歯しなければ不要」と一括りにはできません。

日本循環器学会の2026年版ガイドラインは、心臓の状態によるリスクと、出血を伴う歯科処置などの種類を分けています。薬を必要とする対象は、循環器の担当医と歯科医師に確認してもらいましょう。

共有する情報準備する物・質問
心臓の状態病名、人工弁などの手術歴、感染性心内膜炎にかかったことがあるか
歯科の予定抜歯や手術、歯石除去などを含むか。日ごとの処置内容
薬と連絡先お薬手帳、薬のアレルギー、循環器の担当医・病院名


参考
2026年改訂版 感染性心内膜炎診療ガイドライン:第7章・推奨表16/17日本循環器学会ほか

装置の調整と、歯ぐきを傷つける処置を混ぜない

米国心臓協会の案内では、矯正装置の調整や、歯に付ける小さな留め具(ブラケット)の装着などは、感染性心内膜炎を防ぐ抗菌薬が通常は不要な処置に挙げられています。ただし、これは米国の案内で、日本の対象患者の基準を置き換えるものではありません。

歯を囲む輪の装置を付ける場合などは、「今回、歯ぐきへの操作や出血が見込まれるか」を担当医へ聞きます。器具の名前だけで、薬の要否を自分で決めないでください。


参考
Prevention of Infective Endocarditis:歯科処置の例(米国)American Heart Association

抗菌薬と、血液を固まりにくくする薬は別の話

抗菌薬は細菌の感染を防ぐ・治療するための薬です。血液を固まりにくくする薬の休薬判断とは目的が違います。以前もらった抗菌薬の残りを飲んだり、持病の薬を自分で止めたりせず、今回の処置に合わせた指示を受けてください。

薬が必要と言われたら、薬の名前、飲む時刻、飲み忘れた場合の連絡先を書面で確認します。アレルギー歴も処方前に伝えましょう。

通院前に連携の窓口を決めておく

次の予約までに、歯科から循環器へ問い合わせるのか、自分が診療情報を受け取るのかを決めます。抗菌薬を使えば口の清掃が不要になるわけではありません。歯ぐきの出血や汚れが気になる場所は歯科で見てもらい、日常の磨き方も確認してください。

資料確認日:2026年9月12日。日本の2026年版を基準にし、米国資料は処置の違いを理解する補足として扱っています。