災害時は、まず避難と身の安全を優先してください。安全な場所へ移れたら、口の手入れと、矯正治療の連絡を分けて進めます。歯ブラシや水が足りなくても、できる範囲のケアを続け、避難先で歯科の支援を受けられるか確認しましょう。
断水していても、少ない水で口を清潔にする
日本歯科医師会は、約30mLの水を使う歯みがきの例を紹介しています。水で歯ブラシを湿らせて磨き、途中でブラシについた汚れをティッシュなどで拭き取ります。最後に、水を少しずつ口に含んで分けてすすぐ方法です。
歯ブラシがなければ、少量の水でうがいをするなど、できる手入れから始めます。うがいだけで歯磨きと同じように汚れが取れるわけではないため、支援物資を受け取れる場所で歯ブラシも求めてください。液体の歯磨き剤や洗口液は使い方が異なり、量やすすぎの要否は手元の製品表示に従います。
担当医院へ連絡できない場合は、避難先で症状を伝える
避難所の本部や市町村の保健医療担当へ、「矯正治療中で、装置の痛みがある」「歯磨き用の水が足りない」と具体的に伝え、歯科の支援窓口を確認します。避難所にいない方も、市町村へ現在地と困りごとを伝えてください。
支援窓口の案内は災害と地域によって変わります。過去の被災地の電話番号や、終了した無料支援の案内だけを頼りにせず、現在の自治体・歯科医師会の情報を確認します。
参考
歯科保健医療ニーズ調査・質問票(個別・個人):相談先の案内日本歯科医師会
装置の交換日は、避難日数だけで変えない
通院できない間のマウスピースの交換やゴムの使い方は、歯の位置と治療段階で変わります。避難先の歯科では、装置名、今の装置番号、最後の交換日、担当医院名を伝え、「連絡が戻るまでどう使うか」を聞きます。前の装置・今の装置・次の装置のどれかを、この記事だけで選ばないでください。
固定されたワイヤーは自分で外しません。取り外せる装置は、外す場面の指示に従い、保管するときは専用ケースへ入れます。口の手入れに使える製品でも、装置の洗浄へ使えるとは限りません。
参考
矯正装置のトラブルと担当医への連絡(米国)米国矯正歯科医会
普段から、通信なしでも読める記録を持つ
診察券、装置名・番号、服薬とアレルギー、担当医院の連絡先を紙にも控えます。災害の備えを次回診察で相談し、予備の装置を持つならどれか、医院の休診情報をどこで確認するかを聞いておきましょう。
装置の傷で飲食できない場合は、その日のうちに避難先の歯科支援窓口へ症状を伝えます。息苦しさや意識の異常があれば、担当医院の返信を待たず119番へ連絡してください。
資料確認日:2026年9月14日。


