酸蝕歯(さんしょくし)は、飲食物や胃酸などの酸で、歯の表面が溶けて失われた状態です。細菌が作る酸による虫歯とは分けて考えます。矯正で歯を並べても、失われた歯の形が元に戻るわけではありません。
酸蝕歯・虫歯・すり減りは何が違う?
| 変化 | 主な仕組み | 診察で確認すること |
|---|---|---|
| 酸蝕歯 | 飲食物や胃からの酸が歯に触れる | 飲む回数・飲み方、胃酸の逆流や嘔吐 |
| 虫歯 | 歯に付いた細菌が糖から酸を作る | 汚れが残る場所、糖を取る頻度 |
| すり減り | 歯どうしや物との摩擦で歯が減る | かむ面の形、歯ぎしりや磨き方 |
複数の仕組みが重なることもあり、しみる・歯が薄く見えるという症状だけで原因は決められません。歯科で表面と形を調べ、前の写真などと比べます。
参考
Dental Erosion:原因・検査・予防米国歯科医師会
糖分だけでなく、酸が触れる機会を見る
「砂糖なし」でも酸を含む飲み物はあります。水以外を飲む時間、少しずつ長時間飲んでいないか、口にためていないかを記録しましょう。すべての食品を禁止するためではなく、歯が酸に触れる回数を見直すためです。
酸性の飲食物を取った直後や吐いた直後は、すぐ歯を磨くのではなく、まず水ですすぎます。ふだんの歯磨きは、やわらかい歯ブラシとフッ化物入り歯磨き粉で行い、しみる場所と力のかけ方を歯科で確認してください。
胸やけや嘔吐は、歯科だけで抱えない
胃の内容物が口の方へ戻ることや、繰り返す嘔吐でも、歯が酸に触れることがあります。胸やけ、酸っぱい物が上がる感じ、吐く頻度を歯科へ伝え、続いている場合は内科などのかかりつけ医にも相談します。
歯の見た目から食習慣や病気を決めつけることはできません。話しにくい内容は、問診票へ書いたり、同伴者のいないところで説明したいと伝えたりして構いません。
矯正と、歯の形を補う治療の順番を聞く
矯正の相談には「歯をどこへ動かすか」と「失われた形をどの治療で補うか」の二つがあります。担当医へ、今も歯が失われる変化が続いていないか、先に管理する原因は何かを聞きましょう。
詰め物などを使う案があるなら、その前後でかみ合わせや装置の形をどう確認するかを、矯正歯科と一般歯科で共有してもらいます。削れた量だけで矯正の可否や修復の順番を一律に決めるものではありません。
参考
後悔しない矯正歯科へのかかり方(2021年)日本臨床矯正歯科医会
装置の周囲の白い斑点が主な悩みの場合は、虫歯に関係する脱灰の説明も確認してください。
資料確認日:2026年9月12日。


