矯正のワイヤーが刺さる!自宅でできる応急処置と受診の目安

矯正のワイヤーが刺さる!自宅でできる応急処置と受診の目安

まずすること

矯正のワイヤーが頬や歯ぐきに刺さるときは、まず治療中の医院へ連絡してください。来院までの応急処置として、刺さる部分を矯正用ワックスで覆うと刺激を減らせることがあります。

自分で強く曲げる、引き抜く、接着剤で固定するのは危険です。ワイヤーを切る処置も最初の選択にはせず、どうしても来院できない場合に限り、担当医院から具体的な指示を受けてください。

なぜワイヤーが刺さるの?

ワイヤー矯正では、歯に付けた小さな部品に針金を通して歯を動かします。歯が動くにつれて端のワイヤーが後ろから出てきたり、食事や衝撃でワイヤーが曲がったりすると、頬の内側や歯ぐきに当たることがあります。

主な原因は次のとおりです。

  • 歯が動いて、奥歯の後ろからワイヤーの端が出てきた
  • 硬い食べ物をかんでワイヤーが曲がった
  • 歯に付けた部品からワイヤーが外れた
  • 結んでいる細い針金の端が立った
  • 装置の一部がゆるんだ

原因によって直し方が違うため、刺さる場所が分かる写真を撮って医院へ送りましょう。

まずすること

STEP.1
場所を確認
手を洗い、明るい場所でどの歯の近くに当たっているかを見ます。指を奥へ無理に入れません。
STEP.2
やさしくすすぐ
食べ物が引っかかっていれば水ですすぎます。傷があるときは強くぶくぶくしません。
STEP.3
矯正用ワックスで覆う
ワックスを小さく丸め、装置の水分をティッシュや綿棒で軽く取り、刺さる部分を包むように押し付けます。食事や歯磨きの前後に外れていないか確認します。
STEP.4
医院へ連絡
刺さる場所、始まった時期、傷や出血、装置の外れの有無を伝え、来院時期を確認します。
ワックスは一時的な保護です

ワックスは装置を修理する物ではありません。付きにくいときは、装置表面の水分を軽く取ってから付け直します。外れたワックスを誤って飲み込まないよう、食事前と就寝前にも確認してください。

ワックスがないとき

まず医院へ連絡し、手元の物で代用してよいか確認してください。ガム、消しゴム、家庭用接着剤などは、口の中で装置を覆う目的の製品ではありません。外れて飲み込む、装置を傷める可能性があるため、自己判断で使わないでください。

連絡がつくまでの間は、硬い物を避け、刺さる側で強くかまないようにします。できるだけ早く矯正用ワックスを入手しましょう。

自分でワイヤーを切ってよい?

原則として、自己判断で切ることはおすすめできません。切った部分が飛んで飲み込む、さらに鋭い端が残る、装置全体が使えなくなる可能性があります。

すぐに来院できず、ワックスでも保護できない場合は、まず担当医院へ電話や画像で相談してください。医院が切るよう案内した場合だけ、道具・位置・切った部分の回収方法まで具体的な指示を受けます。

軽く押し倒す方法は使える?

見える範囲で、簡単に動く場合だけ

AAOの患者向け資料では、突出した細いワイヤーが見える範囲にあり、抵抗なく動かせる場合に、清潔な綿棒や鉛筆の消しゴム側などで歯面側へ軽く倒す応急処置が紹介されています(参考文献2)。力が必要、奥で見えない、痛みが強い場合は行わず、ワックスで覆ってください。無理に曲げず、処置後も医院へ連絡します。

してはいけないこと

注意:無理な自己処置をしない
  • ワイヤーを強く引っ張る、引き抜く
  • 爪や硬い道具で何度も曲げる
  • 家庭用の接着剤で固定する
  • 傷口に刺激の強い薬を自己判断で塗る
  • 強い痛みや腫れを次回予約まで我慢する

装置に手を加えるほど、元の治療計画へ戻す処置が増えることがあります。

医院へ早めに連絡する目安

医院へ早めに連絡する目安
  • ワックスを付けても刺さる
  • 傷や出血が続く
  • ワイヤーが大きく曲がった、外れた
  • 装置の一部が動く、飲み込みそう
  • 痛みが強く、食事や睡眠に支障がある
  • 歯ぐきや顔が強く腫れた、発熱がある

ワイヤー片を飲み込んだ・吸い込んだ可能性があるとき

切れたワイヤーが見つからない場合は、形と長さが分かれば記録し、症状がなくても医院へ連絡してください。無理に吐かせないでください。

緊急:119番または救急受診

激しい咳、強い呼吸困難、窒息感、飲み込み困難、胸の痛み、制御できない大量出血がある場合や、重い顔面外傷を伴う場合は、通常の矯正トラブルではありません。状況に応じて119番または救急受診を選んでください(参考文献1)。

傷ができたときの過ごし方

ワイヤーの刺激をワックスで避け、熱い物、辛い物、硬い物など、傷に当たりやすい食事は控えます。歯磨きは必要ですが、傷を強くこすらないようにしてください。

傷が大きくなる、膿が出る、腫れや発熱がある場合は、単なる口内炎と決めつけず受診しましょう。

再発を減らすには

  • 氷、硬いせんべい、骨付き肉などを強くかまない
  • 粘着性の高い食べ物を避ける
  • 食べ物は小さく切る
  • 装置を舌や指で繰り返し触らない
  • ワックスを外出用ポーチに入れておく

歯が動くことで自然にワイヤーが出る場合もあり、注意していても起こることはあります。再発を自分のせいと考えず、早めに調整を受けましょう。

よくある質問

ワイヤーが刺さるのは歯が動いた証拠ですか?

歯が動いて端が出る場合はありますが、曲がりや装置の外れが原因の場合もあります。写真だけで判断できないこともあるため、医院へ確認してください。

ワックスを付けたまま寝てもよいですか?

製品や医院の説明を優先してください。外れて飲み込む可能性があるため、就寝前に付き方を確認し、不安があれば医院へ相談しましょう。

刺さる部分を押し戻してよいですか?

装置の種類によっては、綿棒などで軽く位置を変える応急処置を医院から案内されることがあります。強く押すのは避け、先に担当医院へ確認してください。

まとめ

ワイヤーが刺さったら、場所を確認し、矯正用ワックスで一時的に覆って医院へ連絡します。自己判断で引き抜く、強く曲げる、切るといった処置は避けましょう。強い腫れ、発熱、呼吸や飲み込みの異常がある場合は、早急な受診が必要です。

この記事は一般的な情報です。実際の応急処置は、治療中の歯科医院の指示を優先してください。

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参考文献

参考文献1


参考
What is an Orthodontic Emergency?American Association of Orthodontists

参考文献2


参考
Handling Orthodontic Issues at HomeAmerican Association of Orthodontists