授乳中だからといって、歯科治療のために必ず断乳するわけではありません。一方で、矯正を始める日は、授乳の有無だけでは決められません。産後の体調、必要な歯科処置、通院できる見通しを分けて相談します。
妊娠中と授乳中では、薬について確認する条件も違います。妊娠中の注意を、そのまま出産後の治療へ当てはめないようにしましょう。
産後何か月かだけで、装置を付ける日を決めない
矯正の相談予約では、出産日、現在治療している病気、体調で困っていること、授乳の有無を伝えます。まだ産科などへ通院している場合は、その診療で受けている指示も共有してください。
相談や検査、抜歯などの処置、矯正装置を付ける日を一度に決める必要はありません。まず矯正歯科で必要な処置を確認し、体調面で心配があれば、その内容を産科などの担当医にも伝えて日程を考えます。「産後一律に何か月待つ」と決めるより、実際に予定される処置をもとに相談することが大切です。
| 予約・診察で伝える情報 | 相談したいこと |
|---|---|
| 出産日と現在の体調 | 検査と処置を別の日にできるか、他科との連絡が必要か |
| 授乳の有無と赤ちゃんの月齢 | 薬を使う場合に、どの情報を追加で伝えるか |
| 服用中の薬・市販薬・サプリメント | 処方予定の薬と合わせて使えるか |
| 来院できる曜日と育児の支援 | 調整や急な装置トラブルで受診できる方法 |
局所麻酔と薬は、授乳中であることを伝えて確認する
歯ぐきなど処置する部分の感覚を一時的に鈍くするのが、局所麻酔です。英国NHSは、授乳中にも歯科治療や局所麻酔を受けられると案内しています。これは、歯科で使うすべての薬や、眠くなる薬まで一括して同じ扱いにするという意味ではありません。
予約時と処方前に授乳中であることを伝え、麻酔や痛み止めなど、実際に使う薬の名前を確認してください。赤ちゃんが早産で生まれた、黄疸があった場合も、歯科医師や薬剤師へ伝えます。
参考
Breastfeeding and medicines:歯科治療・局所麻酔と服薬相談(英国)NHS
自己判断で服薬や授乳を止めない
国立成育医療研究センターは、多くの薬では母乳へ移る量が少なく、治療の利益と授乳の利益を考えて判断すると説明しています。薬の注意書きだけを見て、必要な治療をやめたり、先に断乳したりしないでください。
不安があるときは、薬の名前と量、使う日数、赤ちゃんの月齢を手元に用意し、処方した医師・歯科医師や薬剤師へ「授乳を続けながら使えるか」を尋ねます。同センターの「妊娠と薬情報センター」でも、授乳と薬の相談方法が案内されています。
参考
授乳とお薬:母乳への移行と相談の案内国立成育医療研究センター
治療開始前に、通院できない日の対応まで相談しておく
育児中は、予定どおりに来院できない日もあります。契約前に、調整日の間隔、予約を変更する方法、装置の不具合が起きたときの連絡先を聞いておきましょう。子どもと一緒に来院できるか、処置中の付き添いが必要かも、医院ごとの確認事項です。
すでに矯正中なら、出産後最初の診察で服薬と授乳の状況を更新します。予約が延びたときの装置の使い方は、現在の歯の位置と装置に応じて担当医院へ聞いてください。
資料確認日:2026年9月23日。授乳中の薬の情報を参照しており、産後の一律の矯正開始日や、個別の処方の安全性を決めるものではありません。

