矯正中の歯ぐきの出血や腫れは、ブラケット周囲などにプラーク(細菌のかたまり)が残って起こる歯肉炎が代表的です。ただし、装置が当たる傷や、歯を支える骨まで影響する歯周炎でも似た症状が出ます。出血するから磨かないのではなく、力を弱めて清掃し、続く症状は歯科で原因を分けてもらうことが大切です。
歯肉炎・歯周炎・装置の傷で対応が違う
| 状態 | 主な見え方 | 対応 |
|---|---|---|
| 歯肉炎 | 歯ぐきが赤い、磨くと出血する | 清掃方法を見直し、改善しなければ歯科へ |
| 歯周炎 | 出血に加え、歯周ポケットの深まりや骨の減少を伴う | 歯周検査とX線画像で評価 |
| 装置の刺激 | ワイヤーや装置の縁が当たる場所だけ傷になる | 装置調整や医院指定のワックスを相談 |
歯周ポケットは歯と歯ぐきの間の溝です。患者自身が鏡だけで歯肉炎と歯周炎を区別するのは難しいため、出血の場所と続いた日数を記録して診察を受けます。
ワイヤー矯正では装置の上下を分けて磨く
ブラケット(歯の表面に接着する小さな装置)の上側・下側・歯ぐきとの境目へ、歯ブラシの毛先を分けて当てます。強くこすると毛先が開き、かえって装置周囲へ届きません。タフトブラシは、小さな毛束で装置の周囲を部分的に磨くブラシです。歯間ブラシは場所ごとにサイズ選びが必要です。歯科衛生士に実際の口の中で通す向きまで確認してもらいましょう。
マウスピースは歯と装置の両方を清潔にする
取り外し式装置は食事時に外すよう指示されることが多いものの、使用中の製品と医院の指示を優先します。汚れが残った歯を装置で覆わないよう、再装着前に歯を清掃します。装置は指定された方法で洗い、熱湯や自己判断の薬剤は使いません。
バンド・リテーナー・アライナーの縁が当たるとき
バンドは奥歯に巻く金属の輪、リテーナーは治療後の歯並びを保つ装置、アライナーは歯を段階的に動かす透明な装置です。軽い違和感だけで食事や清掃に支障がなければ、写真を撮って次回診察で伝えます。傷、出血、強い痛み、装置の浮きや食い込みがある場合は当日中に矯正歯科へ連絡し、装置名、装着開始日、場所、写真を送って使用指示を受けてください。自分で削ったり加熱したりしません。
装置を付けた日、出血する歯、腫れ、膿、痛み、口臭の変化をメモします。写真があると、装置の刺激か広い炎症かを伝えやすくなります。
歯科へ連絡する時期
軽い力で磨いても出血や赤い腫れが数日続く場合は、数日以内に矯正歯科または歯周病を診る歯科へ相談します。膿、急に強くなる腫れ、強い痛み、発熱がある場合は当日中に連絡してください。
顔や喉が急に腫れ、息がしにくい、飲み込みにくい、意識がもうろうとする場合は、矯正の予約を待たず119番へ連絡してください。
参考情報
参考
Periodontal (Gum) DiseaseNational Institute of Dental and Craniofacial Research
参考
矯正歯科治療について日本矯正歯科学会
参考
こんな時は迷わず119へ厚生労働省

