矯正治療の前に奥歯の間へ入れる青や透明の小さなゴムは、セパレーター(分離ゴム)と呼ばれる部品です。奥歯へ金属の輪を付けるために、歯と歯の間へ少しずつ隙間を作ります。
上下の歯へ自分で掛ける顎間ゴムとは、目的も使い方も違います。セパレーターは医院で入れる部品なので、外れても自分で戻さず、担当の矯正歯科へ連絡してください。
セパレーターは奥歯のバンドを付ける準備
矯正バンドは、奥歯を囲むように装着する金属の輪です。歯と歯が密着したままでは輪を入れにくいため、治療計画に応じてセパレーターを先に入れます。
米国矯正歯科学会は、弾力のある小さな輪または細いワイヤーを歯の間へ入れ、通常はバンドを付ける前に隙間を作る部品と説明しています。すべての矯正治療で使うわけではなく、使う場所や日数は装置と歯並びによって異なります。
入れた直後は押される感じや痛みが出ることがある
セパレーターを入れると、歯の間へ食べ物が挟まったような感覚や、かんだときの痛みが出ることがあります。East Sussex Healthcare NHS Trustの患者向け資料では、数日間うずくことがあると案内しています。
痛みの強さは一人ずつ違います。担当医院から鎮痛薬について説明を受けている場合は、その指示を優先してください。自己判断で量を増やしたり、家族の薬を使ったりしないでください。
食事で気を付けること
かむと痛い間は、豆腐、卵料理、やわらかく煮た物など、無理なく食べられる物を選びます。ガムやキャラメルなどの粘着性が高い物、硬い物については、固定式装置を外れにくくするため避けるよう案内されることがあります。医院から個別の食事指示がある場合は、そちらに従ってください。
歯磨きは部品を引っ張らない
歯の表面と歯ぐきの境目は、やわらかい歯ブラシで力を入れすぎずに磨きます。セパレーターが入った歯の間へ糸ようじを通すと、部品が外れることがあります。その部分の清掃方法は、装着時に担当医院へ確認してください。
外れたときは自分で押し込まない
医院から予備の部品と入れ直す方法を個別に渡されていない限り、指、つまようじ、ピンセットで押し込んだり、市販のゴムを代わりに入れたりしないでください。歯ぐきを傷つけるほか、予定と違う力が歯へかかる可能性があります。
セパレーターが外れたら、次の診療時間に担当の矯正歯科へ連絡します。医院から予備と手順を渡されている場合だけ、その指示に従います。隙間が十分できたため外れた場合もあれば、入れ直しが必要な場合もあり、患者自身では区別できません。
電話では、外れた場所、外れた時刻、次回予約日、痛みや歯ぐきの傷の有無を伝えます。「予約はそのままでよいか」「入れ直す受診が必要か」を確認してください。
症状別に連絡の時期を分ける
| 状態 | 行動 |
|---|---|
| 外れたが痛みや傷はない | 次の診療時間に矯正歯科へ連絡する |
| 痛みが数日を超えて続く、または強くなっている | 診療時間内に矯正歯科へ連絡し、受診日を確認する |
| 歯ぐきが赤く腫れ、触れなくても痛い | その日のうちに矯正歯科へ連絡する |
少し押される感じだけなら、予定どおり隙間ができている途中のことがあります。ただし、痛みだけで順調かどうかは判断できません。装着時に「どの症状なら連絡するか」「休診日の連絡先」を聞いておくと安心です。
顎間ゴムや外れたバンドとは別の部品
- セパレーター:奥歯の間へ医院が入れ、バンドのための隙間を作る
- 顎間ゴム:上下の装置へ患者が掛け、歯の動きやかみ合わせを調整する
- 矯正バンド:隙間を作った後、奥歯の周囲へ付ける金属の輪
「矯正のゴムが外れた」と伝えるだけでは、部品を特定しにくいことがあります。奥歯の間に入っていた小さなゴムなのか、上下に掛けるゴムなのかを伝え、可能なら口の中の写真も送ってください。
装着前に確認しておくとよいこと
- 予定している装着日数と次回予約日
- 食事と歯磨きで避けること
- 外れた場合の連絡先と、入れ直しが必要かを決める方法
- 痛みが出た場合の医院からの指示
セパレーターの役割が分かっていれば、外れたときも慌てずに状態を伝えられます。自己判断で戻さず、次の処置に間に合うよう担当医院へ確認してください。
部品の役割を確認した資料
以下の専門団体・公的医療機関の情報を2026年8月15日に確認しました。
参考
Glossary of Orthodontic TermsAmerican Association of Orthodontists
参考
Fixed appliancesEast Sussex Healthcare NHS Trust
参考
Orthodontic SpacerChildren’s Wisconsin
参考
Braces and orthodonticsNHS

