MIHの歯でも矯正できる?6歳臼歯を残す・抜く判断と治療の順番

MIHの歯でも矯正できる?6歳臼歯を残す・抜く判断と治療の順番

MIHがあるだけで、矯正ができないとは限りません。ただし、痛みや歯の表面の崩れを放置したまま装置を付けるのではなく、その歯を守る治療と歯並びの計画を先に合わせる必要があります。

MIHは、主に第一大臼歯(6歳ごろに生える奥の永久歯)と前歯で、表面のエナメル質が十分に硬くならない状態です。白・黄・茶色の部分が見えることがあります。生えた後に表面が欠けたり、冷たい物や歯みがきで強くしみたりする歯もあります。

MIHと「エナメル質形成不全」は同じ意味ではない

エナメル質の発育中に起こる異常には複数の種類があります。MIHはその一つですが、エナメル質が作られる量そのものが少ない状態など、別の異常までMIHと呼ぶわけではありません。

色だけでは虫歯やほかの発育異常と区別しにくいため、患者自身で決めつけないことが大切です。いつから見えていたか、どの歯にあるか、痛みや欠けがあるかを歯科で確認します。

矯正の前に、歯を使い続けられる見込みを調べる

軽いMIHと、かむ面が崩れて治療を繰り返しているMIHでは、計画が変わります。まず小児歯科や一般歯科で、痛み、欠け、虫歯、すでに入っている詰め物を診てもらいます。そのうえで矯正歯科が、歯の位置とかみ合わせを確認します。

確認すること治療計画との関係
痛みと表面の崩れ矯正装置を付ける前に、痛みを減らし歯を守る処置が必要か判断します。
歯を直して使える見込み残す案と抜く案を比べる土台になります。
後ろの永久歯の育ち方第一大臼歯を抜く案では、後ろの歯がどう生えるかも調べます。
上下左右のかみ合わせMIHの歯1本だけでなく、口全体で抜歯後のすき間を考えます。

残す案と抜く案は、矯正を始める前に比べる

MIHの第一大臼歯を残せる場合は、予防や詰め物・被せ物で守りながら矯正を進める案があります。重く崩れて修復が難しい場合は、計画的な抜歯が選択肢になることもあります。

抜歯を選んでも、後ろの歯が自然に理想の位置へ動くとは限りません。抜く時期や矯正の必要性は、後ろの永久歯の発育とかみ合わせで変わります。「MIHだから抜く」「矯正するから残す」と一方だけで決めないでください。

6歳臼歯を残す案と抜く案を詳しく比べたい方は、次の記事で後ろの永久歯と矯正の計画を確認できます。

診察では担当を分けず、同じ計画にする

小児歯科や一般歯科と矯正歯科が別の医院なら、検査画像と治療記録を共有してもらいます。次の4点を聞くと、順番を整理しやすくなります。

  • MIHの程度と、今いちばん困っている問題は何ですか。
  • 矯正装置を付ける前に、どの処置を終える必要がありますか。
  • 残す案では、将来どのような再治療が考えられますか。
  • 抜く案では、すき間を誰がどの方法で管理しますか。

強い痛みや歯ぐきの腫れがあるときは、次の矯正予約を待たず、歯の処置を担当する小児歯科または一般歯科へ連絡し、受診時期を確認してください。歯が新たに大きく欠けたときも、その歯でかむのを避けて担当歯科へ連絡します。症状がなく治療計画だけを比べたい場合は、矯正装置を付ける前に両方の担当へ相談します。

参考情報

確認日:2026年8月30日。MIHの診断と管理は米国小児歯科学会の2024年採択文書を参照しています。


参考
Molar-Incisor Hypomineralization米国小児歯科学会


参考
Best clinical practice guidance for children with MIH欧州小児歯科学会