反対側の永久歯は生えたのに、片側だけ乳歯が残っている。その原因を画像で調べたとき、歯牙腫(しがしゅ)が見つかることがあります。
歯牙腫は、歯を作る組織からできる、歯のような硬い成分を含む病変です。多くはX線画像で見つかります。永久歯の生える道をふさぐことがありますが、名前だけを見て治療の大きさや矯正の必要性を決めることはできません。
「永久歯が遅い」だけでは歯牙腫と決まらない
永久歯が生えない理由には、永久歯がもともとない、余分な歯がある、生える場所が足りない、向きがずれている、といった別の原因もあります。
歯科では、口の中の診察とX線画像で、永久歯の有無、歯牙腫を疑う影、周りの歯との位置を調べます。CTは全員に必要ではありません。通常の画像で位置関係が分からず、手術や矯正の計画に立体的な情報が必要な場合に検討します。
摘出と、永久歯を生やす計画は分けて考える
歯牙腫が生える道を妨げている場合は、口腔外科などで取り除く処置を検討します。取り除いた後に永久歯が自分で生えてくるかは、歯の向き、根の育ち方、歯列までの距離、並ぶ場所の有無によって変わります。
そのため、手術の前から小児歯科・口腔外科と矯正歯科で次の段階を共有しておくことが大切です。「摘出できたら終了」ではなく、いつまで何を観察し、どの変化がなければ次の処置を考えるかを決めます。
摘出後は3つの案を比べる
| 案 | 確認すること |
|---|---|
| 自然に生えるか待つ | 歯の向き、根の発育、並ぶ場所があり、画像で動きを追えるか。 |
| 矯正で引き出す | 歯ぐきの処置で装置を付けられるか、引く道に周りの根や骨がないか。 |
| 別の方法で場所を整える | 歯を残すのが難しい場合に、すき間を閉じるか、将来補う場所を保つか。 |
どれか一つが全員の標準になるわけではありません。摘出後の経過を調べた研究も、過去の診療記録を振り返った研究で、対象人数や病変の種類が限られます。次の画像確認日と、画像で永久歯のどの動きを比べるかを担当医へ聞いてください。
手術後の診断結果も確認する
画像だけで歯牙腫を疑っても、取り除いた組織は病理検査で最終的な診断を確認することがあります。病理検査は、採取した組織を顕微鏡で調べる検査です。結果を誰から聞き、追加の経過観察が必要かを確かめてください。
手術後の出血、腫れ、痛みについては、処置内容によって連絡の目安が変わります。手術を受けた医療機関から渡された説明書を保管し、どの変化があれば当日連絡するかを帰宅前に確認してください。
診察で聞いておきたいこと
- 歯牙腫は、どの永久歯の生える道へ影響していますか。
- 摘出と同じ日に行う処置、後日に行う処置は何ですか。
- 自然に生えるかを見る場合、次にどの画像の変化を確認しますか。
- 矯正で引き出せない場合は、どの選択肢がありますか。
原因が余分な歯だった場合の検査と摘出時期は、正中過剰歯の記事で確認できます。
歯牙腫に限らず、埋伏歯を観察する・引き出す・抜くという全体の選択肢は、次の記事で確認できます。
参考情報
確認日:2026年8月30日。子どもの口腔外科処置と発育中の歯の管理は米国小児歯科学会の2024〜2025年改訂文書を参照しました。歯牙腫と埋伏歯の関連を調べた研究と、摘出後の永久歯の経過を調べた研究は別です。後者も過去の診療記録を振り返った研究で、歯牙腫以外の原因を含む資料があります。
参考
Management Considerations for Pediatric Oral Surgery米国小児歯科学会
参考
Management of the Developing Dentition and Occlusion in Pediatric Dentistry米国小児歯科学会
参考
Odontomas are associated with impacted permanent teeth in orthodontic patientsPubMed Central
参考
Clinical parameter of odontoma with special emphasis on treatment of impacted teethPubMed
参考
Postoperative prognosis of unerupted teeth after removal of supernumerary teeth or odontomasPubMed

