矯正中に痛み止めを「飲まない方がいい」と一律に考える必要はありません。ただし、薬の種類、持病、ほかの薬との重複によって注意点が変わります。歯を動かす治療への影響を心配して痛みを我慢するより、治療中の歯科医師または薬剤師へ確認してください。
まず痛みの原因を分ける
- 調整後に複数の歯がかむと痛む
- 装置が頬や唇へ当たって痛む
- 特定の歯だけ強く痛む、腫れや膿がある
- 装置が外れたり、ワイヤーが飛び出したりしている
上の二つは矯正に伴うことがありますが、特定の歯の強い痛みや腫れは虫歯・感染・装置トラブルも確認します。鎮痛薬だけで次回まで様子を見続けないでください。
市販薬を使う前に確認すること
商品名だけでなく有効成分を見て、かぜ薬や頭痛薬との重複を薬剤師へ確認します。たとえば医療用のロキソプロフェンNa錠60mg「あすか」の添付文書には、消化性潰瘍、重篤な腎機能障害、アスピリン喘息(特定の鎮痛薬で起こる喘息発作)またはその既往などの禁忌(使用してはいけない条件)・注意が記載されています。この一製品の記載を、すべての鎮痛薬にそのまま当てはめることはできません。
年齢、妊娠・授乳、持病、アレルギー、服用中の薬、過去に痛み止めで喘息や発疹が出たことがあるかを伝えます。
当日中に歯科へ連絡する症状
顔まで腫れる、発熱や膿がある、飲み込みにくい、特定の歯だけ強く痛む、薬を使っても日常生活が難しい場合は当日中に連絡します。薬の後に発疹・じんましんが出ても呼吸が安定している場合は服用を中止し、当日中に医師または薬剤師へ相談します。
薬を飲んだ後に息苦しい、喉が腫れる、声が出しにくい、意識がおかしいなど、アナフィラキシーを疑う症状があれば119番へ連絡してください。
薬以外の一時対応
調整直後は無理に硬い物をかまず、装置が当たる場所には矯正用ワックスを使えます。冷たさで歯がしみる場合や、噛まなくても痛む場合は、刺激を繰り返して確認せず歯科へ相談してください。
痛み止めを我慢するかどうかではなく、原因と薬の安全性を分けて判断します。市販薬は成分の重複と禁忌を薬剤師へ確認し、腫れ・膿・発熱・強い局所痛があれば当日中に歯科へ連絡してください。
参考
ロキソプロフェンNa錠60mg「あすか」添付文書(PMDA)確認日:2026年8月11日。医療用医薬品の特定製品情報
参考
放っておかないでこんな症状(日本歯科医師会)確認日:2026年8月11日
参考
緊急性の高い症状(厚生労働省)確認日:2026年8月11日

