喘息がある方が歯列矯正を考えるときは、診療中に咳や息苦しさが出る場面と、使っている吸入薬を予約時に伝えてください。この記事では成人の喘息を対象に、矯正歯科での準備と吸入薬を使う生活の確認点を整理します。
喘息は、空気の通り道である気道に炎症が起き、咳や息苦しさなどが出る病気です。現在の症状や発作の経過によって診療時の対応は異なります。歯並びを整えることを、喘息の治療の代わりにはできません。
口の中の器具で咳が出た経験を伝える
英国矯正歯科学会(BOS)の資料では、吸引器具の位置が咳を誘うことがあるため配慮し、吸入薬を手元に置けるようにすることが挙げられています。以前の歯科診療で咳が続いた場合は、何をしていたときかを予約時に知らせましょう。
最近の発作、夜間の症状、救急受診や入院の経験、主治医からの指示も共有します。予約日に普段より咳や息苦しさが強いときは、処置を受ける前に医院へ連絡し、喘息の主治医の指示に沿って受診を相談してください。
吸入薬は、名前と使う目的を確かめて持参する
薬の名前に加えて、毎日使う指示と、発作時に使う指示を処方内容で確認します。薬の現物と説明書を見せると伝わりやすくなります。矯正の予約に合わせて回数を減らしたり、症状がないからと中止したりしません。
| 場面 | 確認する相手と内容 |
|---|---|
| 診療中の咳が心配 | 予約時に矯正歯科へ、咳が出た処置と吸入薬の置き場所を伝える |
| 装置が吸入器に当たる | 矯正歯科へ当たる部分を示し、薬剤師にも吸入操作を見てもらう |
| 吸入後に声がかすれる | 処方医へ薬の名前と症状の時期を伝え、使い方を確認する |
取り外し式装置を吸入時に外すか、いつ戻すかは、手元の装置と吸入器を示して確認してください。固定式装置を自分で動かすことはできません。装置の扱いを迷って、必要な発作時の吸入を先延ばしにしないよう、開始前に手順を決めておきます。
吸入ステロイド薬の後は、口に残る薬にも注意する
東京都の成人ぜん息の案内は、吸入ステロイド薬が口の中に残ると、声がれや口の中のカビによる症状が起こることがあり、吸入後のうがいを勧めています。うがいのしかたは処方時の説明に従い、難しい場合は薬剤師へ代わりの方法を尋ねてください。
装置があるためにうがいがしにくい場合は、矯正歯科と薬剤師に具体的な動作を伝えます。吸入薬の使い方は製品によって異なるため、装置を外す必要があるかも含めて相談してください。
声のかすれや口の違和感が続く場合は、次回の処方を待たず処方元へ連絡し、受診時期を聞いてください。自己判断で吸入ステロイド薬を中止することは避けます。
調整後の痛み止めも、喘息の情報と一緒に相談する
喘息のある人の中には、特定の痛み止めで発作が誘われる人もいます。過去に薬で息苦しくなった経験があれば、製品名と症状を歯科医・薬剤師へ伝えてください。「喘息ならすべての痛み止めが使えない」と一括りにせず、自分に使用できる薬を確認します。
急な強い息苦しさなど、呼吸が苦しい状態では矯正の相談を優先せず119番へ連絡します。普段の喘息への対応は、主治医と決めた発作時の計画に従ってください。
参考情報
確認日:2026年9月9日。東京都の成人向け案内は2026年7月15日更新。BOSの2021年文書は、矯正診療での器具・吸入薬への配慮に限って参照しています。
参考
Orthodontics in patients with significant medical comorbidities(2021年、Asthmaの項)British Orthodontic Society
参考
成人のぜん息:吸入ステロイド薬・吸入方法・鎮痛薬東京都アレルギー情報navi.
参考
こんな時は迷わず119へ厚生労働省


