顎関節症は、耳の前にある顎の関節や、顎を動かす筋肉が痛む、口が開けにくい、開閉時に音がするなどの症状をまとめた呼び名です。歯列矯正で必ず治る病気ではなく、矯正を始めれば予防できるとも断定できません。まず症状と原因を歯科で評価し、歯並びの治療目標とは分けて考えます。
音だけか、痛み・開けにくさがあるか
顎を動かしたときの音だけで、痛みや口の開けにくさがない場合は、直ちに治療が必要とは限りません。一方、関節や頬の筋肉が痛む、口が開きにくい、食事や会話に支障がある場合は歯科で確認が必要です。親知らずの炎症など別の病気でも似た症状が出るため、記事だけでは区別できません。
原因をかみ合わせ一つに決めない
顎関節症には、関節や筋肉の状態、食いしばり・歯ぎしり、外傷、生活上の負担、心理的な緊張など複数の要因が関わります。かみ合わせも確認項目の一つですが、「かみ合わせが悪いから発症した」「歯を動かせば治る」と一つの原因に結び付けないことが大切です。
受診の時期を症状で分ける
| 状態 | 行動 |
|---|---|
| 音だけで痛みや開口制限がない | 次回の歯科診察で経過を伝える |
| 痛みや開けにくさが続く・繰り返す | 数日以内を目安に、かかりつけ歯科へ予約を相談する |
| 口が急に開かない・閉じない、飲食が難しいほど痛む | 当日中に歯科または口腔外科へ連絡する |
| 顔を強く打った後に顎の形やかみ合わせが急に変わった | 当日中に救急外来または口腔外科へ連絡する |
| 止まらない大量出血、呼吸困難、意識障害 | 119番へ連絡する |
矯正を検討している人が確認すること
矯正前から症状がある場合は、痛む場所、始まった時期、口の開けにくさ、引っかかり、外傷歴を矯正歯科へ伝えます。必要に応じて一般歯科や口腔外科と連携し、顎の診療を先にするか、並行できるかを判断します。
矯正中に症状が出たら、装置調整後の歯の痛みと、耳の前や頬の筋肉の痛みを分けて伝えてください。診察では「顎の症状を矯正でどこまで改善できる見込みか」「矯正以外の治療が必要か」「悪化時は誰が対応するか」を確認します。
自己流でかみ合わせを変えない
痛む間に硬い物や大きな開口を避けることは一時的な負担軽減になりますが、顎を強く押す、自己流の運動を繰り返す、市販の装置でかみ合わせを変えることは避けてください。適切なセルフケアは診断によって異なります。
参考情報
参考
顎関節症とは日本顎関節学会(2026-08-11確認)
参考
顎関節症初期治療診療ガイドライン2023日本顎関節学会(2026-08-11確認)
参考
ストレスと顎関節症厚生労働省 こころの耳(2026-08-11確認)
参考
矯正歯科治療における標準治療の指針(第1版、2022年)日本矯正歯科学会(2026-08-11確認)

