矯正中に「頬がこけた」と感じても、原因が抜歯だけとは限りません。食べにくさによる体重変化、かむ筋肉の張り、前歯と唇の位置、写真の光や角度、加齢による脂肪や皮膚の変化などが重なります。どの部分が、いつから、どの条件で変わって見えるかを分けて確認することが大切です。
頬こけに見える主な要因
| 要因 | 確認方法 |
|---|---|
| 体重・食事量 | 調整後に食事量が減ったか、体重が急に変わっていないかを確認します。 |
| 咀嚼筋 | 咀嚼筋は食べ物をかむ筋肉です。痛みや食事の変化で使い方が変わることがあります。 |
| 歯と口元 | 前歯の移動で唇の支えや横顔は変化し得ますが、頬の中央の脂肪が同じように動くとは限りません。 |
| 撮影条件 | 同じ距離・姿勢・表情・照明の規格写真で比較します。 |
| 皮膚・脂肪 | 矯正とは別の加齢、体調、病気も含めて考えます。 |
抜歯治療と非抜歯治療の軟組織変化を調べたレビューでは、平均的な唇の後退などが報告されています。ただし研究のばらつきが大きく、個人の顔貌を一律に予測できません。「抜歯すれば頬がこける」「非抜歯ならこけない」と断定するのは不適切です。
「食べ物で頬こけを改善できる?」
特定の食品だけで頬の脂肪や矯正後の口元を元に戻せる根拠はありません。ただし、痛くて食事量が減り体重が落ちている場合は、柔らかい主食だけに偏らず、たんぱく質や野菜を取りやすい調理法を選びます。食べられない状態が続く、急な体重減少があるときは、矯正歯科と医科へ相談してください。
顔の運動や強いマッサージで「リフトアップ」を保証することもできません。装置や顎に痛みがあるときは、自己流のトレーニングを避けます。
診察で確認すること
治療前後の規格写真とセファロ(顎と歯の位置を測る頭部X線規格写真)を比べ、前歯の移動、唇の位置、体重変化を説明してもらいます。治療計画の変更を望む場合は、かみ合わせと歯根・歯ぐきへの影響も含めて検討します。
顔の片側が急に下がった、口元が動かしにくい、片側の手足のしびれ・脱力、ろれつの回りにくさ、突然の激しい頭痛がある場合は、頬こけと考えず119番へ連絡してください。
診察に写真と体重記録を持参する
自撮り一枚で結論を出さず、同じ条件の写真、気付いた時期、体重と食事の変化を担当医へ伝えましょう。矯正で変わる歯・唇と、皮膚・脂肪を分けて説明してもらうことが、対策を選ぶ第一歩です。
参考情報
参考
Soft tissue changes following extraction vs. nonextraction orthodontic treatmentPubMed
参考
Changes in Soft Tissue Profile After Orthodontic TreatmentPubMed
参考
こんな時は迷わず119へ厚生労働省

