反対咬合(受け口)とは?子ども・成人の治療と外科矯正

反対咬合は、前歯で下の歯が上の歯より前に出てかむ状態で、一般に受け口とも呼ばれます。「しゃくれ」は顎が前に見える状態を指す俗な表現ですが、見た目だけで反対咬合とは判断できません。前歯の傾き、顎の骨格、唇や顎先などの軟組織(骨以外のやわらかい組織)を検査で分けます。

反対咬合で確認する3つのこと

  1. 歯の傾き:上の前歯が内側、下の前歯が外側へ傾いているか。
  2. 顎の骨格:上顎の成長が小さい、下顎が前方・大きいなどの関係があるか。
  3. 顎をずらしてかんでいないか:歯が当たるため下顎を前や横へ動かして閉じているか。

診察、写真、歯型やスキャン、セファロ(顎と歯の位置を測る頭部X線規格写真)などを使って判断します。

子どもと成人で治療の考え方が違う

子どもでは成長が残っているため、前歯の接触を改善したり、顎の成長へ働きかける装置を検討する場合があります。ただし、早期治療をすれば将来の治療や手術を必ず避けられるとはいえません。成長を追い、永久歯列で再評価します。

成人の歯性反対咬合や軽い骨格差では、歯を動かす通常矯正で対応できることがあります。大きな骨格性下顎前突では、通常矯正だけで安定したかみ合わせや顎の位置を改善しにくく、顎矯正手術と術前・術後矯正を組み合わせる外科矯正を検討します。

治療法を比較する

選択肢主に変えるもの確認点
通常矯正歯の位置と傾き骨格差がどの程度残るか、歯ぐきや歯根への移動限界
成長期治療歯の位置と成長方向への働きかけ目的、使用時間、成長後の追加治療
外科矯正顎骨(顎の骨)の位置とかみ合わせ手術、入院、知覚変化(唇や顎周囲の感覚が変わること)、術前・術後矯正、保険条件
写真だけで骨格性と決めない

顎が出て見えても、歯の傾き、撮影角度、唇や顎先の形が影響します。反対に、見た目が軽くてもかみ合わせに骨格差がある場合があります。検査なしの自己診断で装置を選ばないでください。

子どもと成人で見通しを分けて聞く

子どもは今回の治療目的と成長後の再評価、成人は通常矯正と外科矯正で変えられる範囲を確認しましょう。費用や期間の固定値より、歯性・骨格性の診断と治療全体の見通しが重要です。

よくある質問

しゃくれはマウスピース矯正で治りますか?

歯の傾きが主因ならマウスピース型装置を含む通常矯正を検討できる場合がありますが、顎骨の位置が主因なら通常矯正だけで変えられる範囲に限界があります。顔写真だけで装置を決めず、セファロなどの検査後に通常矯正と外科矯正の違いを聞いてください。

参考情報


参考
矯正歯科治療の診療ガイドライン 成長期の骨格性下顎前突編(2020年)日本矯正歯科学会


参考
顎変形症などの骨格性の不正咬合日本口腔外科学会