歯列矯正中に起こりやすい炎症トラブルと徹底対策!
矯正装置が付いた瞬間からお口の環境はガラッと変わります。装置と粘膜のこすれ、歯磨きの難易度アップ、ちょっとした食習慣の乱れ――こうした要因が重なると炎症が起こりやすくなり、痛みや腫れに悩まされる方も少なくありません。この記事では「なぜ炎症が起こるの?」から「すぐできるセルフケア」まで徹底的にお届けします!
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そもそも「炎症」って何?矯正治療との関係
医学的に炎症とは、外部刺激や細菌などに対する防御反応のこと。発赤・腫脹・疼痛・熱感・機能障害の五つが典型的サインです。矯正中は装置が常に歯肉や頬粘膜を刺激し、プラークが停滞しやすい環境になるため炎症が起こりやすくなります。
炎症が起こる主な原因
1. 機械的刺激による粘膜ダメージ
ブラケットやワイヤーが口腔粘膜を擦り続けると、小さな潰瘍(口内炎)が発生しやすくなります。特に装置を装着して最初の2週間は要注意!
2. 清掃性の低下とプラーク蓄積
装置の下やワイヤー周囲は歯ブラシが届きにくく、プラークが残存しやすいゾーン。これが歯肉炎・歯周病の火種になります。
3. 免疫力や生活習慣の乱れ
ストレスや睡眠不足、偏った食事は口内炎リスクを引き上げます。ビタミンB群・鉄分・タンパク質が不足しないよう意識しましょう。
炎症の種類と代表的な症状
- 口内炎:白い膜と赤い縁取りの潰瘍、しみる痛み
- 歯肉炎:歯ぐきの赤み・腫れ・ブラッシング時の出血
- 歯周炎:腫れに加え歯周ポケットの深まり・口臭
- 歯根膜炎:歯を咬むとズキッと響く痛み
- 歯槽骨炎:まれに抜歯部位で起こる深い痛み
症状や治癒にかかる時間には個人差があり、自己判断で放置すると悪化する恐れがあります。重度の痛み・発熱・広範な腫脹を伴う場合は速やかに歯科を受診してください。
炎症を放置するとどうなる?
軽度の口内炎でも放置すれば食事量が落ち、栄養不足で治癒が遅延。歯肉炎が進行すると歯周病へ移行し、歯槽骨の吸収や歯根吸収のリスクも高まると報告されています。
今日からできる炎症予防セルフケア
マウスピース矯正の方も、アライナー内にプラークが残ると炎症の温床になります。装着前に必ずブラッシング&本体洗浄を行いましょう。
応急処置:痛みが強いときの対策
症状 | 自宅でできる対処 | 受診目安 |
---|---|---|
口内炎 | ステロイド含有口腔用軟膏を薄く塗布、刺激物を避ける | 7日以上治らないとき |
歯肉の腫れ | デンタルフロスでプラーク除去、イソジン含嗽 | 出血が続く・膿が出る |
咬合時の痛み | やわらかい食事を選ぶ、鎮痛剤の服用 | 痛みが増強する、咬めない |
矯正治療に伴うその他のリスク
炎症以外にも歯根吸収・歯肉退縮・後戻りなどの副作用が報告されています。歯根吸収は無理な力・治療期間の延長でリスクが上昇するとされ、術者の計画と患者さんの協力度が鍵になります。
銀座で働く現役歯科衛生士の木村さん
炎症を起こさないための生活習慣チェックリスト
- 就寝前に必ずフロス or 歯間ブラシでワイヤー下を清掃
- 糖質中心の間食を控え、ビタミンB2・B6・鉄を意識
- アルコールと喫煙は粘膜の血流を阻害するため最小限に
- 1日2リットルを目安に水分補給し、口腔乾燥を防ぐ
- ストレスが強い時期は睡眠時間を+1時間確保
まとめ:炎症は「早期発見・早期対処」が鉄則!
矯正治療は歯並びだけでなく健康な口腔環境づくりがゴール。炎症はそのサインです!毎日のセルフケアと定期チェックで痛みゼロの矯正ライフを目指しましょう。
矯正装置の擦れでできた口内炎、薬は何を使えばいい?
市販の口腔用ステロイド軟膏(トリアムシノロンなど)が一般的です。患部を乾燥させ薄く塗布し、30分ほど飲食を控えると密着度が高まります。
フッ化物ジェルは何ppmを選べばいい?
日本の市販製品で矯正中の成人に推奨される濃度はおおむね900〜1450 ppmです。就寝前に米粒大を歯面に広げ、うがいは軽く1回に留めましょう。
歯肉が腫れてブラケットが半分隠れた!どうすれば?
まずはブラッシングとフロッシングでプラークを徹底除去し、イソジンやクロルヘキシジンで洗口。それでも腫脹が3日以上続く場合は調整・クリーニングが必要です。
歯根吸収は必ず起こるの?
必発ではありませんが、長期治療や過度な矯正力が加わるとリスクが上がります。定期的なレントゲン評価と適切な力のコントロールが予防策です。
医薬品副作用救済制度の対象外になる装置って?
カスタムメイド型のマウスピース矯正装置など、完成物薬機法の対象外とされるものは救済制度の適用外です。装置ごとの法的扱いは治療前に必ず説明を受けましょう。
※本記事は日本の医療広告ガイドラインに基づき、効果・安全性には個人差がある旨を明示しています。診断や治療は医師の判断を優先してください。