矯正装置が付いていてもMRI検査を受けられることはありますが、すべての装置・撮影部位で一律に判断できません。検査予約時に矯正装置があることを伝え、MRI検査を担当する医療機関が、施設の安全管理手順に沿って装置の材質と撮影部位を確認し判断します。
自分で装置を外したり、MRIが必要なのに自己判断で検査を延期したりしないでください。外す必要があると判断された場合は、MRIを担当する医療機関と矯正歯科で日程を調整します。
「危険か」と「画像が見えるか」は別の問題
| 確認点 | 何が問題になるか | 判断する人 |
|---|---|---|
| 検査中の安全 | 装置の材質、固定状態、磁場や高周波による影響 | MRI検査を担当する医療機関 |
| 画像への影響 | 金属の近くにアーチファクト(画像の欠けやゆがみ)が出て、見たい部位が評価しにくくなる | MRI検査を担当する医療機関 |
| 一時撤去の可否 | 装置を外した場合の治療への影響と、再装着の方法 | 矯正歯科の担当医 |
研究では、固定式のブラケットやワイヤーは、材質によって画像への影響範囲が異なると報告されています。特に頭や顔、首など装置に近い部位の撮影では、目的の画像を妨げる可能性があります。安全性の報告がある材質でも、画像への影響が小さいとは限りません。引用した研究には材料試験も含まれ、個々の製品の安全を保証するものではありません。
予約時に伝えること
- 固定式のブラケット・ワイヤーがあるか
- 固定式リテーナー(歯の裏側へ接着した保定用ワイヤー)があるか
- 取り外せるマウスピースやリテーナーを使っているか
- 顎を広げる装置、歯科用アンカースクリュー(顎の骨へ一時的に固定する小さなねじ)、補綴物(被せ物やブリッジなど歯を補う人工物)といった、ほかの歯科材料があるか
- MRIで撮影する体の部位
装置の製品名や材質が分からないときは、矯正歯科へ確認します。患者手帳や装置の説明書があれば、MRIを行う医療機関へ持参してください。検査可否は、装置の情報、撮影部位、必要な画像をもとに、MRI検査を担当する医療機関が施設の安全管理手順に沿って判断します。
装置ごとの考え方
ワイヤー矯正
口の中に固定されているため、患者自身では外せません。MRI検査を担当する医療機関が、施設の安全管理手順に沿って材質、固定状態、撮影部位、必要な画像を確認し、付けたまま撮影するか、一部または全部の撤去を依頼するか判断します。
固定式リテーナー
前歯の裏側に接着されている細いワイヤーです。これも自己判断では外しません。MRIへの影響は材質と撮影条件で変わるため、存在を申告してください。
取り外せるマウスピース・リテーナー
金属部品を含む製品もあるため、撮影室へ持ち込めるとは限りません。検査スタッフの指示に従って外し、指定された場所に保管します。検査後の再装着について不安があれば、事前に矯正歯科へ確認します。
MRI室へ入る前に必ずスタッフへ申告してください。その場で検査可否を判断してもらいます。申告せず入室することや、工具でワイヤーを切ることは避けてください。
外すよう依頼されたときの確認
MRIを依頼した医師には、どの範囲の装置が画像を妨げる可能性があるかを聞きます。矯正歯科には、外す部位、撤去と再装着の日程・費用、その間に歯の位置を保つ方法を確認します。「金属だから全部外す」「体の離れた部位だから必ず問題ない」と患者側だけで決めないことが大切です。
まとめ
MRIの予約先へ早めに矯正装置を申告し、必要なら矯正歯科から材質や製品情報を取り寄せてください。安全性、画像への影響、治療への影響をそれぞれの担当者が確認したうえで、検査と装置の扱いを決めます。
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参考情報
以下の学会情報・研究を2026年8月11日に確認しました。
参考
MRI compatibility of orthodontic brackets and wires: systematic reviewPubMed Central
参考
Orthodontic appliances and MR image artefactsPubMed

