ほうれい線は、鼻の横から口元へ続く皮膚の溝です。皮膚、脂肪、表情筋、頬の骨、加齢などが関係するため、歯列矯正だけで濃くなる、消えるとは決められません。
矯正で変わり得る部分と、直接は変えない部分
| 矯正で変わり得る部分 | 矯正だけでは直接変えない部分 |
|---|---|
| 前歯の位置 | 皮膚の厚さや弾力 |
| 唇を前歯が支える位置 | 頬の脂肪や表情筋 |
| 口を閉じるときの力み | 加齢による変化 |
前歯を動かすと唇の位置が変わる場合はあります。ただし、その変化とほうれい線の深さが同じ割合で動くわけではありません。
固定式矯正の抜歯治療と非抜歯治療をまとめた2018年の研究では、唇の位置に平均的な差が報告されています。ただし、研究ごとの差が大きく、根拠の確かさも非常に低いため、一人ひとりの皮膚の溝を予測する資料にはなりません。
抜歯をしたかどうかだけでは判断できない
抜歯は、歯を並べたり前歯を動かしたりするための空間を作る方法です。ほうれい線の見え方は、前歯をどこまで動かすか、唇の厚さ、骨格、体重、年齢などでも変わります。「抜歯矯正なら必ず深くなる」という説明は正確ではありません。
治療前後の写真は同じ条件で比べる
顔の向き、カメラの高さ、照明、笑い方が違うと、溝の影も変わります。規格写真は、同じ条件に近づけて撮る写真です。治療計画を聞くときは、口を閉じた正面、横顔、笑顔を分けて確認しましょう。
矯正相談で聞くこと、美容医療で相談することを分ける
矯正歯科では、前歯と唇の予定位置、口元が変わらない可能性、下がりすぎを避ける計画を聞きます。皮膚そのもののたるみや溝を治したい場合は、矯正治療の目的とは別です。まず矯正歯科で歯の移動による範囲を確認し、そのうえで必要なら皮膚科や形成外科など、希望する処置を扱う医療機関へ相談してください。
関連記事
歯列矯正と顔全体のたるみを分けて考えたい場合は、次の記事を参考にしてください。
参考情報
以下の専門団体情報を2026年8月30日に確認しました。
参考
抜歯・非抜歯について日本臨床矯正歯科医会
参考
Soft tissue changes following extraction vs. nonextraction orthodontic fixed appliance treatment: a systematic review and meta-analysisPubMed
参考
矯正歯科治療について日本矯正歯科学会


