歯列矯正はブリッジがあってもできる?

まず結論!ブリッジがあっても矯正は「状況しだい」で可能です

「ブリッジが入っているけど矯正は無理…?」と不安になりますよね。結論は“状況しだいで可能”!ただし、どの歯をどれくらい動かすかや、ブリッジの位置・設計・支台歯の状態によって、ブリッジをいったん外す/分割する/仮歯(TEK)に置き換えるなどの工程が必要になることがあります。矯正と最終補綴(ブリッジ・インプラント・義歯など)をセットで設計するのが基本の流れです!

ブリッジ×矯正の考え方:抑えるべき3つの軸

  • 動かす範囲部分矯正でブリッジ部位を動かさないなら、温存できることも。全体矯正で支台歯を動かすなら、連結解除(切断)→仮歯化→矯正→新しい補綴が一般的。
  • 固定源の確保:難症例では歯科矯正用アンカースクリュー(TAD)の併用で動かしたい歯だけを効率的にコントロール!
  • 清掃性と長期維持:ブリッジはポンティック下マージン周囲が汚れやすく、矯正装置でさらに難易度UP。補助清掃具+定期メンテが超大事です。

ブリッジの基本をサクッと!

ブリッジは、欠損部の両隣(支台歯)に被せ物を作り、間を人工歯(ポンティック)で連結する固定式の補綴。メリットは固定性と違和感の少なさ、デメリットは支台歯を削る負担・清掃性の難しさ連結ゆえに「一塊」となるため、支台歯を個別に動かす矯正とは相性の調整が必要になります。

ケース別:ブリッジを外す?外さない?目安表

状況想定される対応ポイント
前歯の部分矯正で、ブリッジは臼歯にあって動かさないブリッジ温存のまま進められる場合あり動かさない部位なら影響が小さいことも。
全体矯正でブリッジの支台歯を動かす連結解除(切断)や撤去→仮歯(TEK)→矯正→新規補綴各歯を単独化してコントロール!
最終補綴をインプラントにしたい矯正でスペース調整→骨・清掃性を考えて最終補綴矯正+補綴の連携設計が鍵!

なぜ矯正中に「仮歯(TEK)」が活躍するの?

ブリッジを分割・撤去して支台歯を単独化したら、矯正中は仮歯で見た目・噛み合わせをキープ。レジン製で加工が容易だから、ブラケット装着や微調整がしやすく、歯の移動の妨げになりにくいのが特長です(強度は低めなので硬い物には注意)。

装置別の相性:ワイヤー矯正 vs マウスピース矯正 × ブリッジ

装置ブリッジとの相性注意点
ワイヤー矯正仮歯にブラケットを接着しやすく、細かな3次元コントロールが得意撤去時にエナメル質や補綴へわずかな負担が生じる可能性あり(手技・接着材選択で低減)。
マウスピース矯正仮歯運用でもOK。清掃性・審美性の両立がしやすい国内の一部システムは「完成物薬機法対象外」医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があるので、装置の制度面を事前説明のうえで選択。

治療の流れ:矯正と最終補綴を“セット設計”しよう

STEP.1
初診カウンセリング・精密検査
欠損の位置、支台歯の状態、歯周組織、顎関節、咬合、口腔衛生状態まで総合評価。保険適用の枠組み(顎変形症など)も確認。
STEP.2
全体設計(矯正+最終補綴の合意)
どの歯を動かすか、ブリッジを温存/撤去するか、インプラント等の最終補綴の選択肢、清掃性・長期維持まで含めて方針を共有。
STEP.3
必要に応じてブリッジを分割・撤去し仮歯化
各歯を単独化して動かせる状態へ。審美と咬合は仮歯(TEK)でカバー。
STEP.4
矯正治療(固定源が課題ならTAD併用)
装置は症例に応じて選択。歯間清掃具を導入し、装置周囲のプラーク管理を強化。
STEP.5
保定→最終補綴の製作
後戻り防止のため保定。安定後に新しいブリッジやインプラント等を製作し、清掃しやすい設計を優先。

費用・期間の一般的な目安(あくまで一般論)

矯正は原則自費で、動的治療は約1〜3年が一般的な案内。顎変形症など一部は保険適用の枠があります。ブリッジの作り直しやインプラント費用は矯正費用とは別に計上されるのが通常です。

  • 矯正=原則自費顎変形症や一部の疾患では保険適用の例あり。
  • 動的期間の目安は約1〜3年(個人差あり)。
  • 清掃・メンテが超大事!装置+ブリッジのケア

    矯正装置が付くと、ただでさえ汚れやすいブリッジ周り(ポンティック下・マージン)がさらに磨きにくくなります。歯間ブラシ・スーパーフロスフロススレッダーなどの補助清掃具を日課にして、定期的なプロケアとフッ化物応用でむし歯・歯肉炎・歯周病のリスクを管理しましょう!

    注意

    プラークが溜まりやすい環境では、むし歯・歯肉炎・歯周病のリスクが上がります。ブリッジ周りは清掃の抜けが起きやすいので、補助清掃具の使い方を歯科衛生士にチェックしてもらうのがおすすめです。

    知っておきたい制度面:完成物薬機法対象外って?

    国内のマウスピース矯正の一部(例:製品名インビザライン 完成物薬機法対象外)は、薬機法の承認を受けていない「完成物薬機法対象外」として運用されています。これは個別カスタム製作の装置で、市場流通性がない等の理由に基づく扱いで、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。装置の入手経路・国内承認の有無・海外での状況などを事前に明示している医療機関も多いので、説明と同意(インフォームドコンセント)をしっかり確認しましょう。

    矯正治療の一般的なリスク(やさしく解説)

    • 痛み・違和感:装置装着・調整直後に出やすく、多くは数日で落ち着きます。
    • 口内炎・こすれ:頬・唇に装置が当たりやすくなるため、ワックスや微調整で緩和。
    • 清掃難度↑:むし歯・歯肉炎・歯周病リスクが高まるので、補助清掃具+定期管理が必須。
    • 保定不足の後戻り:保定装置の装着時間を守らないと、歯が戻る可能性があります。
    • 装置撤去時のリスク:エナメル質の微小な亀裂や補綴の一部破損が生じることがあります。
    • 制度面:一部のマウスピース装置は完成物薬機法対象外で、救済制度の対象外となる場合があります(装置ごとに説明を受けましょう)。
    • 関連トピック:睡眠時無呼吸症候群(SAS)と矯正の話題

      「歯列矯正と無呼吸の関係」については研究が続くテーマ。矯正=無呼吸が必ず改善/悪化といった断定はできませんが、顎位や気道の観点から議論が活発です。広告表現では効果の断定や保証はNG。直近6か月内の一般公開ポストから、啓発的な1件を共有します(埋め込み)。

      [p]※上記は情報共有目的であり、効果を保証するものではありません。個別の診断・治療は必ず専門医とご相談ください。[/p]

      よくある勘違いを解く!状況別チェック

      「ブリッジがある=矯正はできない」

      NO!動かす範囲しだいで可能です。部分矯正なら温存できる例も、全体矯正なら連結解除→仮歯化→矯正→新しい補綴が基本。

      「マウスピースならブリッジでも絶対安心」

      装置選択は症例次第。さらに一部装置は完成物薬機法対象外の制度面があるため、適応と説明を確認しましょう。

      「矯正終了=すぐ最終ブリッジOK」

      基本は保定で安定してから最終補綴を製作。早すぎる製作は適合・清掃性に影響しやすいです。

      「仮歯の見た目が心配」

      仮歯(TEK)は審美の微調整も可能。強度は低めなので硬い物に注意しつつ、定期的に調整して快適性をキープ!

      「固定源が足りないと言われた」

      TADで固定源を補う方法があります。小さなチタン製スクリューを一時的に用い、治療後に撤去します。

      FAQ(後半に集約)

      ブリッジがあっても矯正はできますか?

      可能です。動かす範囲・位置・支台歯の状態によって、ブリッジを温存する/分割・撤去して仮歯化するなどの選択を行い、矯正後に新しい補綴へ移行するのが一般的です。

      矯正中の仮歯(TEK)はどんな役割ですか?

      見た目と噛み合わせの維持、装置の接着・調整のしやすさがメリットです。強度は高くないため、硬い物は注意しつつ定期調整で快適性を保ちます。

      ワイヤー矯正とマウスピース、どちらが向いていますか?

      症例により異なります。ワイヤーは細かなコントロールが得意、マウスピースは清掃性と審美性に配慮しやすいといった違いがあります。制度面(完成物薬機法対象外)の説明も受けた上で選択しましょう。

      矯正後にブリッジを作り直す必要はありますか?

      矯正で歯列や咬合が変わるため、元のブリッジをそのまま再利用できないことが多いです。安定後に新しい補綴を製作するのが基本です。

      保険適用になりますか?

      矯正は原則自費ですが、顎変形症など一部では保険適用の枠があります。詳細は医療機関で確認してください。

      固定源が足りないと言われました。対策は?

      歯科矯正用アンカースクリュー(TAD)の併用で、動かしたい歯だけを効率よく動かせる場合があります。小さなチタン製スクリューを一時的に使用し、治療後に撤去します。

      医療広告ガイドラインへの配慮

      本記事は一般的な情報提供を目的とし、特定の効果を保証しません。優良性の強調・体験談の断定・ビフォーアフターの過度な強調は避け、公的資料や大学病院等の情報に基づいて記載しています。詳細は厚生労働省の資料をご確認ください。

      筆者からひとこと

      この記事の筆者

      ブリッジがあっても矯正は“できる・できない”の二択ではなく、「どう設計すれば安全で清掃しやすく長持ちするか」の視点がいちばん大事!矯正単独で考えず、最終補綴までのゴールをチームで共有するのが成功の近道です。気になる方はまず相談してみてくださいね!

      参考文献・参照元