歯列矯正で顔のたるみは改善できる?知っておきたいポイント!

矯正で皮膚を引き上げることはできません

歯列矯正の目的は歯並びとかみ合わせを整えることです。前歯や唇の位置が変わって顔の印象が違って見えることはありますが、皮膚そのもののたるみを治す治療ではありません。

皮膚のたるみと口元の見え方を分ける

変化矯正との関係
皮膚そのもののたるみ皮膚の弾力、脂肪、加齢や体重の変化などが関係します。矯正で皮膚を直接引き上げることはできません。
前歯による唇の支え前歯の位置が変わると、唇の張り方や口元の突出感が変わって見える場合があります。
かみ合わせと下顎の見え方下顎位、つまり上顎に対して下顎がどの位置にあるかによって、顎先や口元の見え方が変わることがあります。
写真の違い顔の向き、表情、カメラとの距離、照明が違うと、同じ人でも頬やほうれい線の見え方が変わります。

たるみが改善したように見えるケース

歯の位置が変わって口を閉じやすくなったり、笑ったときの歯の見え方が整ったりすると、顔全体の印象が変わる場合があります。これは皮膚が引き上げられた結果ではないため、「矯正でたるみが治る」とは考えない方がよいでしょう。

たるみが増えたように見える理由

前歯を後方へ動かすと唇の支え方が変わり、口元の張りが以前より少なく見えることがあります。一方、治療中の体重変化や、写真の角度・照明が違うために変わったように見えることもあります。ほうれい線の見え方だけで、矯正が成功したか失敗したかを判断することはできません。

唇、頬、皮膚や脂肪など、骨や歯ではないやわらかい組織を軟組織といいます。軟組織の変化には個人差があり、歯を動かす距離だけから最終的な顔の印象を正確に予測することは困難です。

治療前に確認すること

規格写真は、顔の向きや表情などの条件をそろえて治療前後を比較しやすくした写真です。診断時には、正面と横顔の規格写真を見ながら、前歯の予定位置、抜歯する案としない案、予測できることと予測できないことを確認します。顔の若返りを主な効果として矯正を勧める説明には注意が必要です。

気になる場合の相談先

まず矯正担当医に、いつから、顔のどの部分が、どの角度で違って見えるのかを伝えます。治療前の規格写真と現在の写真を比べ、「前歯は今後も動く予定か」「下顎位や口の閉じ方が変わっているか」「治療終了時の見込みをどこまで説明できるか」を確認してください。

歯を削る処置や外科手術のように、元の状態へ完全には戻せない処置を不可逆な処置といいます。矯正途中の見え方だけを基準に、別の不可逆な処置を急ぐのは避けましょう。顔の見た目だけを理由に、美容医療を追加する必要があるとは限りません。

よくある質問

矯正でほうれい線は消えますか?

矯正による改善は保証できません。前歯や唇の位置だけでなく、皮膚や脂肪、表情、体重変化、撮影条件も関係します。

抜歯すると必ずたるみますか?

抜歯の有無だけでは決まりません。抜歯で作った空間をどう使い、前歯をどの方向へどれくらい動かすかと、軟組織の反応を合わせて考える必要があります。

まとめ

顔の変化が気になるときは、同じ条件の写真で皮膚、唇、前歯、下顎の見え方を分けて確認してください。まず矯正担当医と治療前の計画を見直し、途中経過だけで元に戻せない処置を急がないことが大切です。

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参考情報

以下の公的機関・専門団体情報を2026年8月10日に確認しました。


参考
矯正歯科治療について日本矯正歯科学会


参考
後悔しない矯正歯科へのかかり方日本臨床矯正歯科医会


参考
Soft tissue changes following extraction vs. nonextraction orthodontic fixed appliance treatment: a systematic review and meta-analysisPubMed