矯正中にサプリメントは必要?食事と栄養不足の確認ポイント

矯正中だからという理由だけで、全員にサプリメントが必要になるわけではありません。栄養の基本は食事です。食事制限がある人や食べられる量が減っている人は、自己判断で製品を足す前に、まず医師へ体調を伝えましょう。食事の整え方は管理栄養士に相談できます。

食事で取れるなら、サプリメントを足す必要はありません

装置を調整した後に硬い物をかみにくいときは、食材を煮る、つぶす、小さく切るなどして食べやすくします。おかゆや麺だけに偏らず、卵、豆腐、魚、乳製品、煮た野菜などから食べられる物を組み合わせてください。

持病、食物アレルギー、妊娠中の食事について指示を受けている人は、その指示を優先してください。

サプリメントを検討する前に、不足の有無を確かめる

特定の栄養素が足りないかどうかは、広告では分かりません。普段の食事、体調、必要に応じた血液検査などをもとに医師が判断します。検査で不足を指摘された場合は、示された成分、量、期間に沿って補います。

ビタミンCは、皮膚や歯ぐきなど体の組織を作るたんぱく質であるコラーゲンを作る働きに関わります。亜鉛は細胞の働きや傷が治る過程に関わる栄養素です。ただし、こうした役割があることと、不足していない人が多く取れば矯正の痛みが軽くなったり、抜歯後の傷が早く治ったりすることは同じではありません。今回確認した研究では、食事や栄養が矯正治療の成果を高めるとは、まだ結論づけられていません。

1日分に直して、成分の重なりを確認する

マルチビタミン、単一成分のサプリメント、栄養飲料を重ねると、同じ成分を取りすぎることがあります。商品名、1日に飲む量、成分表示を一覧にして、医師、歯科医師または薬剤師へ見せてください。薬を使用している人、持病がある人、妊娠中の人は、成分を多く含む「高用量」の製品を自己判断で始めず、適切な量を医師または薬剤師へ確認してください。

価格比較で分からないこと

1日分の価格が安くても、治療効果、品質、必要性が高いとは限りません。入っている量だけでなく、医師・歯科医師・薬剤師から示された成分と量に合うか、ほかの製品と重複しないかを先に確認します。

医師・歯科医師・薬剤師からビタミンCまたは亜鉛を補うよう案内され、商品を選ぶ段階になったら、栄養素ごとのランキングで同じ成分量あたりの価格を比べられます。

口内炎や食事量の低下を、栄養不足だけで説明しない

矯正中の口内炎は、ブラケット(歯の表面に付ける小さな矯正装置)やワイヤーが当たって起こることがあります。いつも同じ場所が傷つくときは、装置の写真を撮り、次回予約を待たずに治療中の矯正歯科へ連絡してください。

口内炎を繰り返す場合は、歯科または医科で原因を確認します。鉄、ビタミンB12、葉酸が足りないかを血液検査で調べることもありますが、すべての口内炎が栄養不足で起こるわけではありません。

食べられる量が減った状態が続く、意図せず体重が減る、強いだるさがある場合は、矯正のせいと決めつけず、かかりつけ医へ状況を伝えてください。食事内容の整え方は、必要に応じて管理栄養士へ相談します。

矯正の痛みそのものへの対処

栄養素で痛みを抑えようとせず、痛む場所、始まった時期、装置の調整日、食事や睡眠への影響を治療中の医院へ伝えます。痛みの種類と受診の目安は、次の記事で確認できます。

参考情報

以下の資料を2026年9月4日に確認しました。


参考
健康食品(一般の方向け)消費者庁


参考
食事バランスガイド(基本編)厚生労働省 健康日本21アクション支援システム


参考
A systematic review and meta-analysis of the role of nutrition and its impact on orthodontic treatment/management(Journal of Orthodontic Science, 2023, PMID: 37881655)PubMed


参考
Vitamin C – Health Professional Fact SheetNIH Office of Dietary Supplements


参考
Zinc – Health Professional Fact SheetNIH Office of Dietary Supplements


参考
Aphthous ulcersUniversity College London Hospitals NHS Foundation Trust


参考
What is an Orthodontic Emergency?American Association of Orthodontists