上の前歯の根が短いと言われたら|矯正前の検査と治療目標

上の前歯の根が短いと言われたら|矯正前の検査と治療目標

上の前歯の根が短くても、その言葉だけで矯正できるかは決まりません。まず、歯ができる段階から短かったのか、後から根の一部が失われたのかを調べます。同じ「短い」でも、治療で気をつけることが違うためです。

見えている歯と、骨の中の根を分けて考える

口を開けたときに見える部分が歯冠、骨の中で歯を支える部分が歯根です。見える前歯の大きさが普通でも、根が短い場合があります。

歯が作られる過程で根が短くなる状態の一つを、短根歯の異常(SRA)と呼びます。一方、できていた根が後から減る現象は歯根吸収です。SRAを、矯正によって起きた歯根吸収と同じ意味では使いません。


参考
Malformations of the tooth root in humans(Frontiers in Physiology, 2015)Frontiers

過去の画像があると「いつから」を確かめやすい

初診では、これまでの歯科治療や外傷について伝えましょう。以前の画像が別の医院にあるなら、矯正担当医に取り寄せが必要か尋ねます。新しい画像検査は、根の形や周囲との関係など、確認する目的に応じて医療機関が判断します。

診察で確かめること担当医への質問
短い歯の範囲上の前歯だけですか。隣の歯の根にも特徴がありますか
過去からの変化以前の画像と比べて、根の長さや形は変わっていますか
周りの歯との関係骨の中にある歯が前歯の根に近づいていませんか

歯を並べる目標と、前歯を残す計画を一緒に話す

上の前歯の根が短い12歳の女児2人を扱った2012年の症例報告では、根が短くなった背景や歯の位置に応じて、異なる抜歯・移動の計画が選ばれています。一方は根が短い原因が不明で、もう一方は骨の中の犬歯による歯根吸収がありました。

これは2人の経過であり、同じ治療をすれば誰でも前歯を残せるという証拠ではありません。抜く歯や動かす量を記事から決めず、自分の画像を見ながら説明を受けることが大切です。


参考
Case Reports of Orthodontic Treatment of Maxillary Central Incisors with Short Roots(Bull Tokyo Dent Coll, 2012;53:163–171)東京歯科大学

治療を契約する前に、「この前歯をどこまで動かす計画か」「根や歯の支えに変化が出たら、何を見直すか」を担当医へ尋ねてください。見た目の仕上がりだけでなく、歯を支える部分をどう守るかまで共有してから進めましょう。