大人なのに乳歯が残っている|矯正で残す・抜く判断と永久歯の確認

大人なのに乳歯が残っている|矯正で残す・抜く判断と永久歯の確認

大人まで残っている乳歯は、見つけたらすぐ抜くとは限りません。まず、その下や近くに永久歯があるかを画像で確認します。永久歯の有無によって、乳歯を残す意味と、抜いた後の計画が変わるからです。

なぜ乳歯が残ったのかを分ける

主な理由には、後を継ぐ永久歯が生まれつきない、永久歯が別の位置に埋まっている、乳歯の根が骨と直接つながっている、永久歯への生え替わりが遅れている、といったものがあります。

後継永久歯は、その乳歯の後に生える永久歯です。口の中を見ただけでは有無や位置が分からないため、X線画像などで歯の数、位置、根の状態を調べます。

永久歯があるなら、生える道と場所を調べる

永久歯が歯ぐきや骨の中にある場合は、歯の位置、根の完成、並ぶ場所を調べます。成人では、乳歯を抜けば永久歯が自然に生えると前提にはできません。牽引する、埋伏永久歯を抜く、処置せず診察を続けるなどの案を診断後に比べます。

乳歯を抜く前に、永久歯の位置、根、並ぶ場所、隣の歯への影響を確認します。画像検査は一律の間隔で繰り返すのではなく、治療判断に必要な情報があるときに医療機関が必要性を判断します。

永久歯がないなら、乳歯の状態と将来の場所を考える

後継永久歯がなくても、乳歯に大きなむし歯や歯ぐきの問題がなく、かみ合わせに使えている場合は、残して経過を見る選択肢があります。ただし、どの乳歯が何年使えるかを一律に保証することはできません。

成人の下の第二乳臼歯を調べた小規模な後ろ向き研究では、健康な乳歯を残すことが選択肢になり得ると報告されました。対象は20人、28本に限られるため、前歯や状態の悪い乳歯へ同じ結果を当てはめません。

残す場合と抜く場合で、次の計画が違う

選択先に確認することその後の計画
乳歯を残す根の状態、むし歯、歯ぐき、骨とのつながり、かみ合わせまず診察で変化を確認し、画像は治療判断に必要な場合に検討する
抜いて場所を閉じる周りの永久歯を動かした後のかみ合わせ矯正で歯を移動し、必要なら形も整える
抜いて場所を残す将来補う歯に必要な幅と、顎の成長ブリッジ、入れ歯、インプラントなどを担当する歯科と連携する

抜歯は元へ戻せない処置です。「乳歯だから」という理由だけで決めず、抜いた後の場所をどう使うかまで説明を受けてから選びます。

受診時に持参すると役立つもの

  • 過去に撮った歯のX線画像や検査結果
  • 乳歯を治療した時期と、痛みや揺れの変化
  • 矯正後に歯を補う治療を受ける予定があれば、その見積もりや説明書

後継永久歯が生まれつきない場合の治療全体は、次の記事で説明しています。

参考情報

確認日:2026年9月1日。永久歯の有無と空間を一緒に評価する考え方は、小児の発育中の歯列を扱う米国小児歯科学会の2025年版文書を参照しました。成人の残存乳歯の経過は、後継永久歯がない下顎第二乳臼歯だけを対象にした2003年の研究として扱っています。永久歯が埋まっている成人の自然萌出や治療結果を示す資料ではありません。


参考
Management of the Developing Dentition and Occlusion in Pediatric Dentistry(2025年)米国小児歯科学会


参考
Retained deciduous mandibular molars in adults: a radiographic study of long-term changes(2003年)PubMed