開咬矯正について詳しく解説!治療のメリット・デメリット

開咬とは?

開咬(かいこう)とは、歯を噛み合わせた時に前歯が上下で接触せず、隙間ができてしまう状態を指します。通常の噛み合わせでは前歯がきちんと合わさり、食べ物をしっかり噛み砕くことができますが、開咬の場合はその機能が失われます。この状態では食べ物を前歯で切るのが難しく、噛み合わせが悪いことで発音にも影響が出ることがあります。

開咬のイラスト

開咬な歯並びだと奥歯を噛み締めた時に前歯を中心に正常に閉じることが出来ません。

正常な歯並びのイラスト

整った歯並びだと口を閉じた時にキレイに上下の歯が接して口を閉じることが出来ます。

開咬の原因とその影響

開咬は遺伝による要素もありますが、生活習慣や癖が大きな影響を与えることが多いです。特に、幼少期の指しゃぶりや舌の癖、口呼吸などが原因となることが一般的です。これらの癖が続くと、歯や顎の成長に影響を与え、歯並びが悪くなる原因となります。また、開咬が続くと食事や発音に支障が出るほか、見た目にも影響を与え、自信を失うこともあります。

開咬の主な原因

開咬の原因はさまざまで、遺伝による要素だけでなく、生活習慣や癖が大きな影響を与えることがあります。以下は主な原因です。

  • 幼少期からの指しゃぶりや舌の癖:これらの癖が長期間続くと、前歯が前方に押し出されて隙間ができやすくなります。
  • 口呼吸:口呼吸をしていると、舌が下に押し下げられ、上顎の発達が阻害されることがあります。
  • 遺伝的な要素:両親や家族に開咬がある場合、その影響を受けることがあります。
  • 不正咬合による影響:他の噛み合わせの不正が、開咬を悪化させることもあります。

開咬が引き起こす問題

開咬の影響は噛み合わせの問題にとどまらず、日常生活のさまざまな面に影響を与えることがあります。

  • 食事の困難さ:前歯で食べ物を噛み切ることが難しく、特に硬いものや弾力のある食べ物に苦労します。
  • 発音の問題:特定の音を発音する際に、空気が漏れやすくなるため、発音が不明瞭になることがあります。
  • 審美的な問題:歯並びが悪いと、笑顔や表情に自信が持てず、見た目に悩むことも少なくありません。

開咬の矯正治療方法

開咬は矯正治療によって改善できるケースが多く、患者の症状や年齢、ライフスタイルに合わせた治療法が選択されます。ここでは主な治療方法をご紹介します!

1. ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、最も一般的な矯正治療の一つで、歯にブラケットを取り付けてワイヤーを通し、歯を正しい位置に動かします。開咬の治療にも非常に効果的です。

メリットとしては、重度の開咬でも改善が期待できる点ですが、デメリットとしては矯正装置が目立ちやすいことや、食事や歯磨きが少し難しくなることが挙げられます。

2. マウスピース型矯正(インビザラインなど)

マウスピース型の矯正治療では、透明なマウスピースを使用して歯を少しずつ動かします。見た目が目立たず、取り外しができるため、食事や歯磨きがしやすいというメリットがあります。

インビザライン公式サイト


参考
インビザラインについて詳しくはこちらインビザライン公式サイト

MEMO

マウスピース型矯正は軽度から中度の開咬に効果的ですが、症状が重い場合は他の治療法が推奨されることがあります。

3. 外科的矯正治療

成人で骨格的な要因が原因となっている開咬の場合、外科的矯正治療が必要になることもあります。この方法では、顎の骨を手術で修正し、その後矯正治療を行います。費用が高く、治療期間が長くなる傾向にありますが、劇的な改善が期待できます。特に、骨格の問題が主な原因である場合、この治療法が有効です。手術を伴うため、リスクもありますが、重度の開咬では外科的な治療が必要となることが多いです。

開咬治療におけるリスクと注意点

どの矯正治療にも、いくつかのリスクやデメリットがあります。治療を始める前にしっかりと確認しておくことが大切です!

注意

矯正治療では個人差があるため、すべての患者に同じ効果が期待できるわけではありません。また、痛みや違和感を感じる場合があります。さらに、矯正装置による口内炎や、装置を適切に使用しないと後戻りの可能性もあるため、医師との相談を重ねることが重要です。

  • 痛みや違和感:矯正治療中は歯の移動によって痛みや違和感が生じることがあります。
  • 口内炎のリスク:ワイヤー矯正の場合、矯正装置が唇や頬の内側に擦れ、口内炎ができやすくなることがあります。
  • 歯磨きが難しくなる:矯正装置を付けると歯磨きがしにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが高くなる可能性があります。
  • 後戻りの可能性:治療後に保定装置を適切に使用しないと、歯が元の位置に戻る後戻りが発生するリスクがあります。
  • 医療機器の規制:一部の矯正装置は完成物薬機法の対象外であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となることがあります。

Q&A:よくある質問

Q: 開咬の治療期間はどのくらいかかりますか?

A: 開咬の治療期間は、患者の年齢や症状の重さによって異なりますが、通常は1年半から3年ほどかかることが一般的です。

Q: マウスピース型矯正はどんな人に向いていますか?

A: 見た目を気にせず、取り外しができる矯正治療を希望する方に向いています。ただし、自己管理ができないと治療がうまく進まない可能性があるため、しっかりと計画的に装着できる方におすすめです。

Q: 開咬の手術は痛いですか?

A: 外科的矯正治療の場合、手術後に一時的な痛みや腫れを感じることがありますが、適切なケアを行えば回復は早いです。痛みに関しては医師と事前に相談することが大切です。

Q: 開咬の治療には年齢制限がありますか?

A: 開咬の矯正治療は、子どもから大人まで年齢に関わらず可能です。ただし、年齢によって治療法が異なる場合があります。成長期の子どもでは、顎の成長を考慮した治療が行われ、大人の場合は骨格的な問題がある場合、外科的矯正治療が必要になることもあります。

Q: 開咬を放置するとどうなりますか?

A: 開咬を放置すると、食事や発音に影響が出るだけでなく、顎関節症や歯の摩耗が進む可能性があります。また、噛み合わせが悪いため、消化にも悪影響を及ぼすことがあるため、早めに矯正治療を検討することが大切です。

開咬矯正の治療ステップ

STEP.1
初回相談
初めての相談では、歯科医があなたの噛み合わせや歯並びをチェックし、開咬の程度を確認します。この段階では、治療方法の選択肢についても説明を受けます。
STEP.2
精密検査
レントゲンや歯型を採取し、精密な検査を行います。これにより、治療計画が具体的に立てられます。開咬が骨格的な問題か、歯並びの問題かによって治療法が異なるため、非常に重要なステップです。
STEP.3
治療開始
治療が開始されます。ワイヤー矯正やマウスピース型矯正を用いて、歯を少しずつ正しい位置に移動させます。治療期間は個人差がありますが、1年半から3年ほどかかることが一般的です。
STEP.4
経過観察
定期的に歯科医で調整を行い、進捗を確認します。この間、矯正装置の調整やマウスピースの交換が行われ、治療が順調に進むようサポートされます。
STEP.5
保定期間
矯正治療が終了したら、保定装置を装着して歯が後戻りしないように保定します。この期間も重要で、保定装置をしっかりと使用することで、矯正の成果が保たれます。通常、保定期間は1~2年ほどです。

開咬の矯正治療は、これらのステップを順を追って進めることで、確実な改善が期待できます。個人の状況によって多少異なることもありますが、計画に従って進めていくことで、歯並びが改善されます!

まとめ

開咬は見た目だけでなく、食事や発音など、日常生活にも影響を与える問題です。しかし、適切な矯正治療を受けることで、大きな改善が期待できます!治療方法は、症状の程度や患者のライフスタイルに合わせて選択できるので、しっかりと医師と相談し、自分に合った治療法を見つけましょう。


参考
開咬治療についてさらに詳しく知るアップル歯科