「インプラント矯正」で使うアンカースクリューは、歯を動かす力の支えとして顎の骨に一時的に入れる小さなねじです。失った歯を補うインプラントとは目的が違います。全員に必要な装置ではないため、提案されたら「どの歯をどう動かすためか」と、使わない治療案との差を聞いてください。
ねじが歯を動かす支えになる仕組み
歯を引くと、引く側の歯にも反対向きの力がかかります。アンカースクリューはその力を受ける固定源です。歯を支えにした場合に動かしたくない歯が動くのを抑えたいときや、歯を骨の方向へ押し込む「圧下」などの計画で検討されます。使う位置や歯の動かし方は、歯の根と周りの骨の状態によって決まります。
使う計画と使わない計画を比べる
ねじを使えば必ず良い結果になるわけではありません。次の質問を同じ治療目標について聞くと、選択肢を比べやすくなります。
| 確認する点 | 使う計画で聞くこと | 使わない計画で聞くこと |
|---|---|---|
| 歯の動き | どの歯をどの方向へ動かすために必要か | 何を固定源にし、治療目標は変わるか |
| 処置と費用 | 設置部位、必要な検査、設置・再設置・除去の費用 | 装置や通院の違い、追加費用 |
| 困ったとき | ねじが緩んだ場合の連絡先と代替法 | 固定源に使う歯や装置で問題が出た場合の対応 |
設置には局所麻酔や画像検査を使うことがありますが、必要な範囲は診察で決めます。喫煙、糖尿病、服薬、金属アレルギーなど、治療に関わる健康情報も事前に伝えてください。ねじの緩み・脱落、周囲の感染、ねじの破折、近くの歯根や周囲組織を傷つける可能性も、設置部位に即して説明を受けます。
設置後の清掃と異常
ねじの周りは、担当医院から教わった方法で汚れを落とします。舌や指で繰り返し触らず、ねじに掛けたゴムを自己判断で変えないでください。軽い違和感と、腫れ・膿・強くなる痛みは分けて考えます。周りが赤く腫れる、膿が出る、ねじが揺れる場合は、当日中に処置した矯正歯科へ連絡します。
ねじを締め直したり、外れたねじを戻したりしないでください。部品が口から出た場合は安全に保管し、当日中に矯正歯科へ連絡します。部品がなくなり、飲み込んだ可能性があっても呼吸が安定しているときは当日中に医療機関へ相談してください。激しいせき、息苦しさ、声の異常など気道に入った疑いがある場合は119番です。
除去の時期も計画の一部
ねじは役割を終えたら歯科で除去します。時期は治療の進み方で変わるため、設置前に「何が済んだら外すか」「外した後はどう手入れするか」を聞いてください。歯を動かす治療が終わった後に位置を保つ方法も、別に確認が必要です。
顔まで腫れた場合は、ねじの周囲だけの炎症と別の原因を分ける必要があります。症状別の連絡先は次の記事で確かめられます。
参考情報
参考
歯科矯正用アンカースクリューガイドライン 第2版日本矯正歯科学会(2018年3月2日発行、2026年10月30日確認)
参考
診療ガイドライン一覧日本矯正歯科学会(2026年10月30日確認。上記文書の掲載確認)
参考
こんな時は迷わず119へ厚生労働省(2026年10月30日確認)


